2022年2月24日、ロシア軍によるウクライナ侵攻が始まりました。 多くの人にとって到底信じがたい、許しがたい非現実的な出来事であり、不意打ちのように襲いかかったこの人為的災厄を前に、人々は恐怖と混乱と麻痺状態に陥りました。そのようななかでロシアの政治・社会学者エカテリーナ・シュリマンは、社会科学の知見にもとづいて状況を的確に説明し、市民の不安をやわらげ、戦争にあらがう手段を個々人に行動可能な範囲で示してくれたのでした。その声にどれだけの人が救われたかわかりません。 戦争から1年が経つにあたって、『世界』臨時増刊「ウクライナ侵略戦争」(2022年4月)に掲載されたシュリマンの講演集「戦禍に社会科学はなにができるか」を再掲します。ここで述べられていることはすべて、いまなお読むに値するものです。 戦争の原因を特定の国民性に帰したり、指導者個人の思惑や歴史観を推量したり、武器の名称を並べ立てて戦
古谷田奈月『フィールダー』刊行記念インタビュー「誰もが当事者である世界線で、『リアル』とは何かを問う」 3年ぶりの新刊『フィールダー』を発表し、その読書体験の衝撃が早くも話題騒然となっている古谷田奈月氏。本書を執筆するにいたった背景や、込められた思いを聞いた――。 「初めに書こうと思ったのは、動物に関する話だったんです。ペットを飼うことに対する疑問、すなわち、なぜ人は動物を飼ってもいいと思っているのか。例えば、使役動物や家畜のように、人間が自分たちの利益や生活のために利用している動物の存在については納得できるんです。都合よく搾取しているということではあるけれど、生きるためにやっていることだから。でも愛玩動物に関しては、根底にあるのは『かわいいものを近くに置いておきたい』という利己的な欲望です。そこに伴う残酷さや暴力性をはっきりと自覚しているというならわかりますが、すすんで動物を飼っている人
Change and Vanish / Cornelius コーネリアスの新曲がやっとリリースされた。といっても昨年はカルチャー誌「nero vol.14 VOICE」の創刊10周年を記念した限定7インチ(プライマル・スクリームのキーボード奏者で昨年12月に他界したマーティン・ダフィーとの両A面)用に発表した曲があり、今年1月にはお茶とアーティストを繋ぐ"BYSAKUU"というプロジェクトにてコラボ曲を提供しているし、mei eharaのヴォーカルで配信済みの"変わる消える"も、2011年にsalyuに提供した"続きを"も、既存の曲を小山田圭吾のヴォーカルで新たに再録したので、完全な新曲ではない。しかし、リリース直前のMETAFIVEの2ndアルバムが突然発売中止になった2021年のあの夏を思い出せば、大いなる一歩を踏みだしたこのリリースを喜ばずにはいられない。 2曲とも原曲とアレンジはほ
上野千鶴子氏といえば、フェミニズムの旗手にして、女性学・ジェンダー研究のパイオニア的存在と言われてきた、著名な社会学者です。「おひとりさま」シリーズをはじめ共著を含めると約200冊の著書があります。4年前、教鞭をとっていた東京大学の入学式祝辞が大きな話題となりました。 その上野氏が「入籍していた」と週刊文春が報じました。ネット上では瞬く間に拡散し、「言行不一致」とか「嘘つき」といった非難もあがっています。上野氏はこれまで婚姻制度を批判し、自ら生涯独身を標榜してきたとみられてきました。私もそのようなイメージを持っていたので、この"文春砲"には最初、驚愕しました。
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