「文壇」だの「論壇」だのはもうとっくに滅びてるのは自明です。「壇」に見合った共通利害も見えなければ、同志意識もすでに希薄。何より「文学」自体の権威が失墜してますから、いまどきそんなものがある、あるいはあって欲しいと思うのは、その「文壇」によっておのれのアイデンティティを保たれているようなバカばかり。それこそ新宿三丁目の数軒の飲み屋、半径数百メートルの狭い狭い世間が全てと勘違いしているような物書きや評論家、編集者十数人によってかろうじて保持されている幻想に過ぎません。 去年細部に至るまで暴露された田口ランディの「盗作」沙汰に典型的なように、仕事しての物書きの最低限の常識までが崩壊しているのがこの業界のいまどき。その最大の理由は、ひとつにはおそらく出版から放送にいたるまで、大手メディア稼業の収入が高すぎることにあるように思います。「おいしい思いしてるから、まあいいや」という薄汚い共同性が共有さ
