何の効果も無い粉を薬だと偽って病人に飲ませても、病人は「薬を飲んだから治る」と思い込み本当に元気になってしまう。 これをプラセボ(プラシーボ)効果と言います。 『病気で悩んでいる人に効果の無い物を売りつける』という点でネガティブな印象を受けるプラセボですが、症状や痛みに悩まされる人にとって『作用機序が科学的かどうか』よりも症状から解放されることの方が重要ではないでしょうか。 科学的な治療法というのは当然大事です。大勢の治験を経て薬理効果の確認された薬や緻密な機器を使った手術は絶対に必要な医療です。 しかし『針や灸という簡素な治療器具で経絡に流れる気を整える』という不思議な治療によって「病院で治らなかった症状が針灸で治った」という言葉をいただく以上、科学的な治療以外の部分で症状の回復に大きな役割を果たすものがあり、そのひとつとしてプラセボは重要な治療技術のひとつであると考えています。 東洋医