世の中には、ふと立ち止まって考えると、何だ、それと思えるような食べ物がある。例えば、白子の天ぷら。もちっとして味わい深い。ポン酢がよろしいかと。しかし、ただね、なんというのか、小学生には説明しづらい。あれはなあ。 視野を広げると、バロット。孵化直前のアヒルの卵を加熱した……肉? ゆで卵? 一生のうち一度は食べてみたいものの対極にあるもので、死ぬまでに食べずにすまされれば幸せという感じだが、私は一度夢で食った。私は夢に味覚がある人なんでじっくりと味わい、その食感も堪能した。首骨がやわらかくてこりっと。うぁああ、すげー悪夢。 そういう変なものではなく、ごくありきたりな食材だが、何だ、それと人生に問いかけてくる食べ物と言えば、コロッケそばであろう。コロッケ。わかりますよね。そばもわかる。一杯のかけそばのうえにコロッケが載っているあれ。普通のそば屋には置いてない一品。駅そばならではの特製キュジーヌ