設計者の田中次郎氏を助手席に乗せて走る「たま電気自動車」=26日、神奈川県厚木市の日産テクニカルセンター 63年前、戦後の焼け野原を駆けた電気自動車(EV)が蘇った。日産自動車の社員有志が26日、昭和22(1947)年に発売された「たま電気自動車」を当時のままにレストア(再生)し、神奈川県厚木市の日産テクニカルセンターで完成式を開いた。 7月からは日産が12月に発売する電気自動車「リーフ」とともに、全国でお披露目される。 「たま電気自動車」(E4Sー47ー1)は、日産と合併したプリンス自動車の前身にあたる東京電気自動車が発売した。 設計を担当した田中次郎さん(93)は「空襲で家や工場が破壊されたため、電気が余っていた。年間500台の電気自動車を作る許可をGHQ(連合国軍総司令部)から取った」と当時を振り返る。 性能試験では時速28キロで、96キロの距離を走行。発売後の8月には5台の電気自動