難しい時事問題を丁寧に解説し、人気を集めているジャーナリストの池上彰さん。平成の時代は東西冷戦が終結し、「既成のイデオロギーがもろくも崩れた時代」としたうえで、「政治も混乱が続いて若者たちの悩みに対応できなかった」と語りました。取材者として、平成の30年間をどのようにみてきたのか、聞きました。(聞き手:ネットワーク報道部記者 岡田真理紗) ――まず、平成という時代をひとことで表すとどのような言葉になるのか、書いて頂けますか。 「内災外乱」ですね。私のまったくの造語です。 そもそも平成という言葉は「内平らかに外成る」からきているわけですが、実際には内(うち)、つまり国内は決して平らかではなく、実にさまざまな災害があった。 そして外(そと)成る、本当に平和が訪れるかと思いきや、東西冷戦が終わってから湾岸戦争やイラク戦争などさまざまな紛争が続き、今も米中の貿易摩擦・・・と乱れているわけで、とっさ