読売新聞東京本社が、自社に著作権がある書籍の復刊本を無断で出版した「七つ森書館」(東京都文京区)に、販売禁止を求めた仮処分の保全抗告審で、知財高裁は15日、販売禁止を命じた6月15日付の東京地裁決定と7月31日付の保全異議審決定を支持し、七つ森書館の抗告を棄却した。 問題となったのは、読売新聞社会部の記者9人が執筆し、1998年に出版された「会長はなぜ自殺したか――金融腐敗=呪縛の検証」(著者・読売新聞社会部)の復刊本。 七つ森書館は、執筆者の1人である清武英利氏の「(読売新聞社での)勤務時間中に作業をする余裕はなかった」とする陳述書などを根拠に、「読売新聞は、単行本と文庫本の著作権を有しない」と主張。これに対し、知財高裁は「清武氏以外の執筆担当者の陳述書には、勤務時間中に執筆したことがあるなどの記載があり、清武氏の陳述内容はただちに採用できない」として、読売新聞の著作物であることを認め、