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ブックマーク / yuki19762.seesaa.net (2)

  • 顔を憎んで鼻を切れば、唇も消える: 「扉は開かれた」 ーハリー・ベリーの受賞スピーチと第74回アカデミー賞ー

    2002年の春に催された、第74回アカデミー賞のことを、わたしはよく覚えている。もう10年以上前のことと、実はつい先日まで勘違いしていたのだが、それがどういう年だったか、どんなショーだったかは、忘れていないし、忘れられない。前回のスティーブ・マーチンからウーピー・ゴールドバーグに司会が代わり、ロサンゼルスのシュライン・オーディトリアムからハリウッドのコダックシアターへ会場は移った。9月に同時多発テロが起こったため、会場の周囲は厳戒態勢で、レッドカーペットを歩くスターたちの姿は見られなかったが、式は豪華絢爛。この頃のオスカーは、年に一度のアメリカのお祭りという感じで、ほんとうに華やぎがあった。この頃というか、この年までは。なにしろ冒頭、金色のレオタードに身を包み、白い羽をクジャクのように背負ったウーピー・ゴールドバーグが、空中ブランコに乗って天井から降りてくるのだ。シルク・ド・ソレイユは幻想

  • 顔を憎んで鼻を切れば、唇も消える: 性犯罪において、加害者の欲望はあらかじめ肯定され、被害者の人権はあらかじめ蹂躙されている

    初めて痴漢に遭ったのは初潮を迎えるより遥かに前だったと思う。といっても、わたしにそれがきたのは中三になってからで、ひとよりだいぶ遅かったのだけれども。9歳だったろうか、10歳だったろうか、とにかくそれくらいの歳だ。屋で立ち読みをしていたら下半身を触られた。触り方が露骨だったので、おぞましいことと理解した。だがそれ以前にも、そのようなことはあったかもしれない。しかも幾度も。どういうことかというと、わたしはその屋でよく立ち読みをしていたのだが、そうしているときに後ろから覆いかぶさるようにして棚からを抜く男がいた。そしてそのまま、つまり身体を密着させたまま、男もそこでそれを読む。わたしが移動するとついてきて、また身体を寄せてくる。おかしいとは思っていた。だが、性的なものという認識はなかった。しかし、そのとき、スカートのなかに手を入れられ、下着の上から下半身を触られて初めて、わたしは理解し

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