〈発売中の『婦人公論』5月号から記事を先出し!〉 ある時は時代劇スターとして、ある時はド派手な衣装に身を包んだエンターテイナーとして、あらゆる世代から愛される松平健さん。視聴者を楽しませ、新しい挑戦を続ける姿勢の原点には、師匠・勝新太郎さんの言葉がありました(構成=上田恵子 撮影=木村直軌) <前編よりつづく> 馬から落ちた時もケガはせず 芸能の仕事をしてきて、これまでつらいとか辞めたいと思ったことは一度もありません。大変だなと感じた時は、「今は修行をしているんだ」と考えて、乗り越えてきました。 やっぱり母親が苦労しているのを見てきましたからね。当時はまわりも貧しかったけれど、貧乏ということで陰口を叩かれてもじっと我慢して……。そんな母を見て育ったので、少々大変なことがあっても弱音を吐かず、淡々と自分のすべきことをするという気持ちで生きてきました。 ケガや病気で撮影を休んだこともほとんどな
〈発売中の『婦人公論』5月号から記事を先出し!〉 ある時は時代劇スターとして、ある時はド派手な衣装に身を包んだエンターテイナーとして、あらゆる世代から愛される松平健さん。視聴者を楽しませ、新しい挑戦を続ける姿勢の原点には、師匠・勝新太郎さんの言葉がありました(構成=上田恵子 撮影=木村直軌) 初めての時はお客さんが引いていた 今年、芸能生活50年を迎えます。持ち歌の「マツケンサンバII」のおかげで、小さなお子さんや若い人まで私のことを知ってくださっているようです。 先日もバラエティ番組のロケでゆいちゃみさんという方とご一緒した際、「TikTokで見ています!」と言われました(笑)。SNSを通じて認知が意外な方向に広がっていくのを、驚きつつもありがたく受け止めています。 この「マツケンサンバII」は2004年に発売された楽曲です。もともと私の舞台では、第一部は芝居、第二部は歌と踊りのショーを
漫画『ハッピー・マニア』で人気を博し、その後の作品『シュガシュガルーン』では第29回講談社漫画賞を受賞するなど、数々の名作を生み出している、漫画家・安野モヨコさん。そして、安野さんのパートナーはアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』の監督・庵野秀明さん。このクリエイティブなご夫婦は一体どんな生活を送っているのでしょうか。安野さんは、「監督は眠っている時の姿が浜辺に打ち上げられた棒みたい」と言っていて――。 集中力 監督は眠っている時の姿が変わっていて 浜辺に打ち上げられた棒みたいに一本になって寝ている。 体の中にある本体が抜け出して、その際入れ物である肉体を ぽいと投げ出して出かけてった、というような感じがする。 なんでそんなふうに感じるかというと 普段から監督の動きがそんな様子だからだ。
バンダイナムコフィルムワークスの映像レーベル「EMOTION」の40周年記念企画「EMOTION 40th Anniversary Program」の一環として、士郎正宗原作・Production I.G制作によるTVシリーズ『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』の20周年記念上映と豪華ゲストによるトークショーを、2023年11月12日(日)に開催いたしました。 本編上映後のトークショーにはバトー役の大塚明夫氏、監督・シリーズ構成の神山健治氏が登壇し、 『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』の制作当時のエピソードと作品への想いを語り合いました。 貴重なトークショーの模様をダイジェストでお届けします。 ※期間限定配信 ◆上映会概要 EMOTION 40th Anniversary Program『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』20周年
『バービー』グレタ・ガーウィグ監督来日インタビュー「次代の女性監督に繋ぎたい」 ─ 騒動にも言及 (c)2023 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved. マーゴット・ロビー、ライアン・ゴズリング主演、人形の世界をポップでカラフルに描く『バービー』が、2023年8月11日より日本公開になる。このため、監督を務めたグレタ・ガーウィグが来日。THE RIVERの単独インタビューに応えた。 この取材が行われたのは8月1日で、インタビュー開始の直前までに、米ワーナー・ブラザーズより米公式X(Twitter)アカウントによる不適切な投稿への謝罪文が発表された。このインタビューの中で、筆者がこの騒動に対する所見を尋ねると、グレタは神妙な面持ちで次のように回答した。 「ワーナー・ブラザースが謝罪したことは、私にとって非常に重要なことです。発表がなされたことは、とても重
彼らはたぶん、他人と一緒にいること自体が不愉快な人。家事ひとつをとっても、自分とやり方が違うだけで我慢できないわけでしょ? 根本的に他人と同居することに向いてない。 ――どうして結婚したんでしょうね。 押井 上手くいくと錯覚しちゃったんですよ。若いとそういう錯覚に陥るものです。でも、夫婦にもいろんな夫婦がいて、家計は全部別、冷蔵庫に入れているものも、ちゃんと名前を入れて分けているとかね。そういうやり方もあるかもしれない。あとは一緒にいたいのなら努力しかない。 ――まずは奥さんに相談するのがいいんじゃないですか。「家事は俺がやりたい」の人は、この文面だと、奥さんに苦情は言ってないようでしょ? 自分でやるのは厭わない人みたいだから、奥さんも任せてしまえばいいのに。 押井 おそらく、そうなるとそうなったで、また苦情が出てくると思う。だから、この手の人は他人と暮らすのに向いてない。離婚がイヤだった
──監督は映画業界に対して危機感を抱いているとのことですが、劇場でかかる映画だけでなく、今は膨大な映像作品が世の中にあふれています。 作品がコンテンツという名前に取って代わられたあたりから、ものすごく変な流れになっていっちゃいましたよね。誰かが10年かけて作った映画も、誰かが寿司屋で醤油さしを舐めている映像も、同じ棚に並べられているわけです。それもただ同然の金額で。 そして再生回数が上がれば、そちらに価値があると見なされる。今は世界がものすごく広大な100円ショップのようになってしまったと思います。 ──あまりに商品数が多すぎて、どれを手にとっていいかも悩みます。 全部を手にとっている時間すらないですからね。もちろん、誰かがものすごく苦労をして作り上げた商品が100円ショップの棚に並んでいるのと同じように、作り手の思いがものすごく込められている作品もある。 でも簡単に手に入るから、気に入ら
「飯さえ食っていれば絶対にどうにかなるんですよ」 そう力強く語るのは、『機動警察パトレイバー the Movie』『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』などの作品を生み出し、国内外で高い評価を受けるアニメーション監督、押井守だ。 押井監督は、3月17日から開催される第1回新潟国際アニメーション映画祭で審査委員長を務める。長年アニメーション業界に身を置いてきた押井監督は、新たな映画祭の旗揚げに立ち会い、何を思うのか。アニメーション業界における批評文化、そして今の若い世代に思うことについて聞いた。 「長編アニメーションを評価する場がなかった」 ――映画祭の準備をされていて、手応えはいかがですか? 押井守(以下、押井):準備といっても、私の場合は「腹を決める」ただそれだけです。審査員をやるというのは、結構な負担なんですよ(笑)。人が作ったものを観て、言いたいことを言って、いい立
安倍元首相がもたらしたのは美しい国か、妖怪の棲む国か? 『新聞記者』(19年)など世に強く訴える問題作を手掛けてきたスターサンズと、現役総理大臣のドキュメンタリー『パンケーキを毒見する』(21年)の内山雄人監督&制作スタッフが、“日本の真の影”に切り込む政治ドキュメンタリー映画『妖怪の孫』。本作の公開を記念し、公開前日の3月16日に新宿ピカデリーにて公開前夜舞台挨拶が開催。旧統一教会問題を取材するジャーナリストの鈴木エイト、本作の企画プロデュースを担当した元経済産業省官僚の古賀茂明、そして本作のメガホンをとった内山雄人監督が登壇した。 ・安倍晋三とはいったい何者だったのか? 大手メディアには出来ない、安倍政治の総括 この日はWBC準々決勝当日だったが、会場には大勢の観客が来場。その様子を見た古賀が「WBCなんで誰も来ないかと思っていました」と安堵した表情を見せると、鈴木が「これが映画デビュ
インタビューと文章: 榎並紀行(やじろべえ) 写真: 小野奈那子 東京に住む人のおよそ半分が、他県からの移住者*1というデータがあります。勉学や仕事の機会を求め、その華やかさに憧れ、全国からある種の期待を胸に大勢の人が集まってきます。一方で、東京で生まれ育った「東京っ子」は、地元・東京をどのように捉えているのでしょうか。インタビュー企画「東京っ子に聞け!」では、東京出身の方々にスポットライトを当て、幼少期の思い出や原風景、内側から見る東京の変化について伺います。 ◆ ◆ ◆ 今回お話を伺ったのは、俳優の片桐はいりさん。東京都大田区で生まれ、幼少期から現在までずっと、地元の大森で暮らし続けてきました。現在は街に唯一残った映画館「キネカ大森」でチケットもぎりをしたり、行きつけの喫茶店「珈琲亭 ルアン」で映画仲間と語り合ったり。愛着のある街で大好きな映画を存分に楽しむ、充実の日々を送っています。
大人が泣くと話題を呼んだ『映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲』、アニメーション映画の『河童のクゥと夏休み』や『カラフル』、木下恵介監督の半生を描いた初の実写映画『はじまりのみち』など、数々の名作を世に送り出してきた原恵一監督。 そんな原恵一監督の最新作が、2018年『本屋大賞』に輝いた辻村深月の同名小説をアニメーション化した『かがみの孤城』だ。学校に行けなくなり部屋に閉じこもっていた中学生の少女・こころが、鏡のなかの世界で同年代の少年少女と出会い、変化していく様をつぶさに描き出した原監督に話を訊いた。 取材・文/華崎陽子 ◆「2時間以内に収めることが最初の難関」 ──まず、お城のビジュアルに魅了されました。お城の描写は小説にもありましたが、海に囲まれているとまでは書かれていませんでした。このアイデアはどこから生まれたのでしょうか? 岩礁の上に城があるアイデアは、紀
『ロッキー』シリーズ最大のヒット作『ロッキー4/炎の友情』(1985)を、監督・脚本・主演を務めたシルヴェスター・スタローン自身が再編集し、新たに生まれ変わった『ロッキーVSドラゴ:ROCKY IV』が全国順次公開中だ。ロッキー役の吹き替えといえば、「クリード」シリーズに至るまで全8作に参加してきた羽佐間道夫。そもそも自分が適任と思わなかったという羽佐間だが、それでも40年近く声を当ててきた羽佐間の目に、ロッキーとスタローンという男の生きざまはどう映っているのだろうか。さらに御年88歳にして、今年は新録吹き替えを3本収録するなど、米寿とは思えぬ精力的な活動を続ける羽佐間。声優界のレジェンドとして尊敬を集める存在だが、話を聞くと「逆に若手から盗もうと思っている」と、貪欲な仕事への姿勢が垣間見えた。 【写真】“米寿”羽佐間道夫、まだまだ意欲衰えず ■戸惑いが大きかったロッキー役 ディレクターた
20歳で女優を一時休業し、単身パリに渡った加賀さんらしい。フランスではカトリーヌ・ドヌーヴのような大物女優でも、運転以外なんでも自分でする。「あら、そうなの?知らなかった。でもなんでも自分でやるのは、普通じゃない?」と言うが、個人主義の国フランスとはとても相性が良かったようだ。 17歳から仕事をしていて、恋愛もろくにできないし、不健康に感じたのね。それで稼いだお金を全部使ってしまおうと、パリに住むことにした。1964年。初めての海外で、まずカンヌ映画祭に行ったんだけど、それはびっくりしたわね。いまだに日独伊が同じホテルっていうのが、すごい差別というか、「なんでこうなの?」って思った。ピエトロ・ジェルミ(『鉄道員』などで知られる監督)ってイタリアの監督さんと一緒だったのを覚えている。 映画の出演依頼を「ノー」と断る 私が出ている『乾いた花』(篠田正浩監督)も見本市で上映されてたので、着物を着
電気グルーヴのメンバーとして音楽活動を続けながら、俳優としての顔も持つピエール瀧。バラエティー番組に数多く出演するかたわら、モデルや女優としても活動するYOU。共にジャンルにとらわれない活躍を見せているが、どちらも「夢や目標は特になかった」という。 「自分らしい生き方」を体現しているように見える2人は、仕事に、家族に、どう向き合ってきたのか。プライベートでも仲の良い、“似たもの同士”の会話に耳を澄ませる。(取材・文:井上マサキ/撮影:栃久保誠/編集:黒木貴啓(ノオト)/Yahoo!ニュース オリジナル RED Chair編集部) バラエティー番組などで長らく共演を重ねてきた2人だが、最初の出会いを聞いてみると、そろって「いつだっけ……」と仰向いた。YOUは1988年にバンド・FAIRCHILDのボーカルとして、瀧は91年に電気グルーヴのメンバーとしてメジャーデビュー。2組のデビューには「バ
ホーム > 映画ニュース > 2021年12月18日 > 「ベニスに死す」「世界で一番美しい少年」ビョルン・アンドレセンインタビュー 「ベルばら」オスカルのモデルになったことに驚く 「世界で一番美しい少年」日本訪問時の一場面(C)Mantaray Film AB, Sveriges Television AB, ZDF/ARTE, Jonas Gardell Produktion, 2021 ルキノ・ビスコンティ監督作「ベニスに死す」(71)で主人公を破滅に導く少年タジオを演じたビョルン・アンドレセンの衝撃の真実を描いたドキュメンタリー「世界で一番美しい少年」が公開された。同作は、豊富なアーカイブ映像により今明かされる「ベニスに死す」の裏側、 “世界で一番美しい少年”と呼ばれその後の人生を運命づけられてしまったアンドレセンの栄光と破滅、そして心の再生への道のりを映し出す。日本でも絶大な人気
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