現在、世界基準で見て最も尊敬されている一人にも数えられる女性、アメリカの最高裁判事ルース・ベイダー・ギンズバーグ(以下、RBG)のドキュメンタリー映画『RBG 最強の85才』が公開中だ。しかし、同作を宣伝する側がそのことを理解しきらずに、逆に女性差別を助長しかねないコピーをつけたことが一部で問題視されている。 最高裁判事。この職に就いている方には申し訳ないが、残念ながら日本では意識されているとは言い難い職業で、選挙の際の信任投票でも「急に審査しろと言われても……」となりがちな役職だ。 だが、欧米社会において最高裁判事というのは、「国民の生き方を左右する存在」として大いに尊敬されている。筆者の住むブラジルでは、在任期間が長いこと(定年75歳)やテレビでも裁判のニュースが頻繁に報じられることもあり、その存在は大臣よりもはるかに有名。ある程度ニュースに興味のある人ならスラスラと名前を挙げることさ