ITは一般汎用技術である。かつて動力源が「蒸気」から「電力」へと転換したように、ITは単なる情報通信技術の変化ではない。社会全体を変えるポテンシャルを持っている。しかし、日本はその価値を正しく評価し、応用できていない──。 そんな議論を前編と中編の2回にわたって見てきた。日本は単に米国に遅れを取っているだけでない。台頭するロシア、インド、アイルランド。ITは世界地図も変えた。 今後日本はどうしたらいいのだろう。後編では、世界の状況を整理しながら、日本の進むべき道について考えてみる。「大企業は消滅すればいい」「ベンチャーは育成するな」──そんな風に語る、野口悠紀雄氏の本意はなんだろうか。 野口 この本の最後の章では、グーグルとNTTのNGNを比較して議論しています。日本は、あいかわらず中央集権的な発想であるのに対して、グーグルに代表されるアメリカの企業は、新しい発想で動いていますね。 ──
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