ノルウェーでは音楽家が市民運動に参加したり、政治に関する自身の考えを表明するのは当たりまえのことだ。アーティストの価値観まで知って、音楽を支持し続けるかを決める人も多い。1998年生まれのエッラ・マリエ・ハエッタ・イーサクセンさん(Ella Marie Hætta Isaksen)はアーティスト・俳優であり先住民サーミ人である。 サーミ人はフィンランド・スウェーデン・ノルウェー・ロシアに住み、人口数が最も多いのがノルウェーだ。長い間ノルウェー政府から抑圧されてきた歴史、サーミ人としてのアイデンティティや言語を「恥」として植え付けられた「抑圧政策」の影響は今の世代にも暗い影を落としている。「石油の国」から「再生可能エネルギーの国」として発展を急ぐ政府との間には、現在「土地」を巡って「グリーン・コロニアリズム」(緑の植民地化主義)の対立が両者の間で起きている。政府が風力発電所を設置したフォーセ
「死にたいという人を放ってはおけない」。和歌山県橋本市にある教善寺住職の中田三恵さん(48)は、かつて身近な人を自死で失った。その経験から、悩み相談サイトなどを通じて苦しむ人たちに手を差し伸べる活動を続けている。「死にたい」という気持ちにまで追い込まれた人の多くは、他人に相談することに強い不安や抵抗を持っている。それを乗り越えて相談に導くには、十分な環境はまだまだととのっていない。相談にこぎ着けたとしても、気持ちが前を向けるまでには息の長い伴走支援が必要となる。こうした課題を解決していくにはどうすべきか。相談しやすい場をつくり、受け手の育成に取り組む中田さんが求める社会の姿とは。(文・映像・写真/映像作家・内田英恵/Yahoo!ニュース オリジナル 特集編集部) 教善寺住職の中田三恵さんは、僧侶による悩み相談サイト「hasunoha(ハスノハ)」で、つらい気持ちや死にたい思いを抱えた人たち
故・ジャニー喜多川による性加害を実名で告発し、大きな「うねり」を巻き起こした日系ブラジル人で元ジャニーズJr.のカウアン・オカモト。外国人だからこそ目指した芸能界と日本語を学びながらのジャニーズでの活動、告発についての思い、そして今後について――。日本外国特派員協会での記者会見から約4か月。今の率直な気持ちを語ってもらった。(取材・文:室橋裕和/撮影:木村哲夫/Yahoo!ニュース オリジナル 特集編集部、文中敬称略) 「性加害などネガティブなこともありましたが、ジャニーさんには感謝しています」 カウアン・オカモト(27)はそう振り返る。彼は両親が日系のブラジル人だ。故・ジャニー喜多川(享年87)はアメリカ生まれの日系2世。ふたりには外国ルーツという共通点があった。 「ジャニーさんはよく、自分も日系で、日本語よりも英語のほうがメインなんだよとか、ほかのジュニアには言わないようなことも僕には
母親に対する自殺ほう助容疑で逮捕された歌舞伎俳優・市川猿之助(本名喜熨斗=きのし=孝彦)容疑者(47)が主演予定だった東京・歌舞伎座の「七月大歌舞伎」昼の部「通し狂言 菊宴月白浪(きくのえんつきのしらなみ)」が3日、幕を開けた。 【写真】團十郎と猿之助は…澤瀉屋と成田屋の相関図 猿之助容疑者の代役を務めたのは、いとこの市川中車(香川照之、57)。「菊宴月白浪」は中車の父、三代目市川猿之助(現・市川猿翁)が1984年に163年ぶりに復活させた演目で、「三代目猿之助四十八撰」の一つでもある人気作。今回が32年ぶりの上演となった。 中車は、父猿翁の代名詞でもあった宙乗りに初挑戦。かつては親子関係を拒絶され長く絶縁状態だったが、2012年に歌舞伎界入りすることになった際に和解。2人の複雑な歴史を経て、思わぬ形でお家芸を継承することになった。万感の思いを込めたかのように目を潤ませて中車が舞うと、客席
2020年に創業したSOUNDRAW(サウンドロー)は、「音楽生成AI」を提供している急成長スタートアップだ。 同社のサービスでは、曲のムードやテーマ、長さを選択することで、自分の制作した動画に合った曲を生成することができるもの。わずか10秒で、AIが15曲を作り、イメージに合ったものがなければ再度生成することができる。 ユーザーは毎月1000人のペースで増えているといい、月額$19.99の有料プランには6000人以上が登録しており、7割は北米をはじめとした海外のユーザーだという。しかも広告等の施策は用いず、口コミで海外の支持を増やしている。 なぜ海外で売れるものをつくることができるのか。SOUNDRAW代表の楠太吾に、海外で勝つスタートアップのヒントを聞いた。 ■学習データを自作 SOUNDRAWの主なユーザーは、YouTube、テレビ、ゲームなどの動画クリエイターだ。これまでは、映像に
スターバックスの象徴ともいえる緑のエプロンを身に付け、フラペチーノを作る「68歳」の男性がいる。ホリデイ・スクエア豊橋店(愛知県豊橋市)で働く児玉吉弥さんは、65歳で定年退職をしてから3年以上、スターバックスで働いている。 【画像で見る】スタバで働く68歳男性、どんな働き方? スターバックス コーヒー ジャパン(以下、スタバ)では、従業員の多様な働き方を進めるべく、さまざまなサポートを行っている。その中の一つに、業務を限定した働き方を可能とする「カフェアテンダント制度」がある。業務を商品の陳列、清掃などに絞り込み、短時間の勤務を可能にする制度だ。児玉さんもカフェアテンダント制度を活用し、スターバックスに入社。現在はレジ業務やバリスタに担当業務を拡げ、活躍している。 営業→バリスタへ ダメもとで応募 児玉さんはこれまで営業の仕事をしており、60歳で定年。その後も再雇用で65歳まで勤め上げたと
1983年5月、映画「戦場のメリークリスマス」の出演者らと笑顔を見せる坂本龍一さん(右端)。左端はデビッド・ボウイさん、右から2人目は大島渚監督=パリ(AP=共同) 音楽家の坂本龍一さんの死去で、映画「戦場のメリークリスマス」で共演した北野武さんは「仲間がみんないなくなってしまい、『戦場のメリークリスマス』は俺だけになってしまいました」との談話を3日発表した。 【写真】映画「戦場のメリークリスマス」製作発表で記者会見する坂本龍一さん、大島渚監督、ビートたけしさん 1982年 北野さんの談話は以下の通り。 ただただショックで残念で仕方がなく言葉もありません。「戦場のメリークリスマス」の大島渚監督が亡くなってデビッド・ボウイが亡くなって、坂本龍一さんが亡くなって仲間がみんないなくなってしまい、「戦場のメリークリスマス」は俺だけになってしまいました。
俳優・サックスプレーヤーとして活躍する武田真治さんは、人気絶頂期に“うつ状態”に陥り、一時期実家に引きこもった経験を持つ。当時は「人に迷惑をかけてはいけない」と強く思っていた武田さんだが、回復してからは「どうやって人に甘えようか」と思えるようになったと話す。45歳で自身の特性に気づき、50歳を迎えた今「人生はのんびりでいい」と話す武田さんに自分らしさの見つけ方を聞いた。(聞き手:荻上チキ/TBSラジオ/Yahoo!ニュース Voice) ――武田さんは、引きこもり状態になっていた時期があると聞きました。 武田真治: 20年ほど前、アイドルアクターとして注目していただいた後、社会的な作品にも出演していた、人気絶頂期と言われるような時期に引きこもりになっていました。その頃の芸能界は本当に過酷でスケジュールもどんどん埋まっていき、キャパオーバーになってしまったんだと思います。 肉体的なつらさはも
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