記者という仕事がら、取材先や寄稿者と、記事の素材データやプレゼン資料をやり取りすることが多い。もちろん、メールを使ってである。ただ最近になって、受け取ったメールに添付されていたファイルが暗号化されていることがとみに増えてきた。ファイルを復号化しようとするとパスワードの入力を求められる。パスワードは後から別のメールで送られてくるという方式だ。 情報漏洩を懸念してのことだ。外部とやり取りする際はファイルをパスワード付きで暗号化してからメールするよう、情報システム部門や法務部門がルールを設けているのだろう。この7月から8月にかけて、企業十数社に外部との機密情報のやり取りをどのように行っているかを取材する機会があった。実際にこのようなルール順守を業務部門に設けている企業が多かった。標準的な手法になりつつあるように思う。 しかしこの方式を採用する企業が増えることに、筆者は懸念を感じる。セキュリティ対