近年、学習障害(DSM-5における限局性学習症)がクローズアップされる場面がたびたび増えてきました。ことばの教室にも読み書きの苦手さをもつ児童が多く在籍しています。 ことばの教室の教員をやっていると、たびたび担任の先生や他の特別支援学級の先生方から、「読む指導ってどうやるの」「どうやれば読む速度が速くなるの?」等と質問されることがあります。ですが、読むことの指導を行うためには、そもそも人はどのように文字を読んでいるのかを理解できないと、読むことの苦手な児童の理解や支援には繋がりません。 そこで今回は、人がどのように文字を読んでいるのかに焦点をあててお話したいと思います。 (なお、今回の記事における「読む」とはreading aloud、すなわち文字を音声化する過程を言い、「読解(reading comprehension)」とは区別しますので、それを念頭に読んでください)