書 評 緯などパルを中心にみた東京裁判の経過,第3章で は, 「意見書」の骨子,第4章では, 「意見書」への 反響と, 「意見書」の普及活動,第5章では,3度 の来日( 92 5 年, 6 15 年, 3 6 年)におけるパルの発言 および日本人との交流,第6章では,東京裁判後の パルの経歴と国際的活動が扱われている。 本書はおそらく世界で初めて単行本にまとめられ たパル論である。新事実の発掘に期待したくなると ころであるが,しかし,いくつかの細かい点を除け なか ざと なり あき 中島岳志著 『パール判事──東 京 裁 判 批 判 と絶対平和主義──』 白水社 20 年 39 07 0 ページ 中里成章 20 年8月,安倍首相(当時)がコルカタを訪問 07 した。ハイライトは,東京裁判のインド代表判事ラ ダビノド・パルの子息との会見であった。地元の有 力紙は,両者が交わした会話