元電機メーカー技術者で「里の発明王」とも呼ばれる福岡県みやこ町の漆谷正義さん(74)が、4年前に開発した「イノシシ撃退機」の製造方法を科学専門誌に公開した。1台1万円(税別)と安価で、動物に傷を負わせることもない機械に注文が相次ぎ、個人の手作業では製造が追い付かないためだ。一時は半年待ちになるほどで、ようやく仕上げて連絡すると、被害に耐えられず既に廃業していた農家もあった。「自由に作って、農産物の被害防止に役立てて」と話している。 【写真】注文が殺到したイノシシ撃退機と「里の発明王」 撃退機開発は地元果樹農家の要望がきっかけ。かつて手掛けた、警戒音でカラスを撃退する装置を応用した。農家に依頼し、わなに捕まったイノシシが苦しむ「キュイ~ン」という悲鳴を録音。これをスピーカーで繰り返し流す装置を作った。1辺約20センチの立方体型で重さ約3キロの木製で、外側には防水塗料。上部に太陽電池を備え、電