「君は良い時代に生まれたね、うらやましいくらいだよ」 「君は入ったばかりだからわからないかもしれないけど、この職場は他と比べると本当にいいところだよ」 「俺たちって本当恵まれてる、よかったよな」 なるほど、他の職場の噂とか世界情勢とか見てると、まあたしかに自分の置かれた環境はとても恵まれている。 世界中で苦しんでいる人のことを思うと自分は恵まれすぎているとも感じる。 ではなぜ、なぜこんなにも満たされないのだ。 なぜ毎朝いやだいやだとため息をつきながら出勤し、毎夜死んだ目をして帰宅するのか。 なぜ、大声で叫びたくなるくらいの幸せを謳歌していないのか。 恵まれた環境にいるのだから、自分には幸せである責任がある。 幸せにならなきゃ・・・