山崎製パン(東京都千代田区)の「薄皮たまごパン」が異例のヒットを記録している。2024年1月の発売から7カ月で1200万パックを販売し、圧倒的な存在感を示している。なぜこれほど売れているのか。ヒットの舞台裏に迫った。 山崎製パンの「薄皮シリーズ」は、薄い生地に具材をたっぷり包み込んだ商品で、長年多くの消費者に親しまれてきた。その中で「薄皮たまごパン」は、定番の「つぶあんぱん」などの甘い系統から一線を画す総菜系商品として誕生した。 開発の背景には、新型コロナウイルスの感染拡大による生活様式の変化が挙げられる。コロナ禍において、中食需要、つまり家で食事をする機会が増え、総菜パンの売り上げが上昇傾向にあった。「薄皮シリーズでも総菜系の商品があれば、満足感があり、1個ずつ食べられる点からもお客さまに喜ばれるのではないかと考えた」とマーケティング部の川土居(かわどい)哲也さんは語る。