住宅設備最大手のLIXIL(リクシル)は、十三人に一人程度いるとされる同性愛など性的少数者(LGBT)に配慮した公共トイレの設計助言に乗り出す。スポーツ界を中心にLGBTの権利を守る動きが広がっており、東京五輪に向けて性の垣根を越えたトイレの普及を目指す。 同社が四月にまとめたアンケートでは、身体の性と心の性が一致しない「トランスジェンダー」の65%が職場や学校のトイレ利用で困り、ストレスを感じていた。トイレを我慢したことで四人に一人がぼうこう炎などの排せつ障害を経験していた。 問題解決のためリクシルは、誰でも使える多目的トイレの増設や男性用の小便器を囲むついたての新設を提案。男女の個室トイレが一つずつある場合は、男性用を男女共用にすればトランスジェンダーが気兼ねなく利用できるといい、こうした知見をセミナーなどで建設業者に紹介する。