朝鮮研究の第一人者である筑波大学教授の古田博司氏が毎日新聞から発行される『アジア時報』五月号に掲載されたアジア研究委員会での研究報告の内容をめぐって、韓国大使館から激しい抗議を受けているという。すでに韓国情報部の人間も接触してきたといい、身辺の危険も感じているらしい。古田氏と親しい人から聞いた話だ。 古田氏は日韓歴史共同委員会の教科書班の日本側の班長でもあり、問題の報告は韓国の歴史教科書60冊の内容を客観的に分析したもので、どこが問題なのか私には理解できない。 教科書記述の分析についてのクレームは表向きで、おそらく韓国側の神経に障ったのは古田氏の李朝に関する発言にあるのではないか。一般にはあまり目に触れる雑誌ではないので、ここで古田氏の発言を再掲しておこう。 <中世については、この間、朝鮮中世経済史の某氏と話した時に、私が「ちょっと言いにくいんだけど、昔、日本では停滞史観だといって批判され