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ブックマーク / tmaita77.blogspot.com (6)

  • 子どもの政治的関心の階層差

    選挙権の付与年齢が20歳から18歳に引き下げられ,高校生にも,社会を動かす主体として振る舞う途が開かれました。 しかしまだ18歳の少年ですので,政治意識は未熟であるのが常。それを高めようと,高校ではいろいろな取組がなされていると聞きます(模擬選挙など)。各政党も,政策を分かりやすく伝える漫画などを作成している模様です。来月実施される参院選では,10代の投票率がどれほどになるか注目されます。 ところで,子どもは一枚岩の存在ではありません。教育社会学では階層差に焦点を当てますが,学力の階層差があるのはよく知られていること。前回みたように,勉強の得意意識も階層によって大きく違っています(とくに算数)。 しからば,政治への関心はどうでしょう。前回と同様,国立青少年教育振興機構『青少年の体験活動等に関する実態調査』(2014年)のローデータを使って,この点を吟味できます。下図は,小学校4~6年生の政

    子どもの政治的関心の階層差
  • データえっせい: 飯島ただやす君への手紙

    大学院生 飯島ただやす君へ (小島泰幸君?) はじめまして。舞田敏彦と申します。2015年5月19日の午前8時30分ころ,貴殿は,私の著作物に無断で赤を入れ,ツイッターにて発信しました。以下は他人の非公式RTですが,元はあなたのものです。元ツイは現在削除中ですが,記録はとってあります。*削除したということは,自分の非を認めたということでしょうね。 — のーそふとばんく (@no_softbank) 2015, 5月 18 私が作成した散布図の回帰直線の引き方がおかしいということで,貴殿が赤を入れたものです。ご指摘はありがたく受け止めますが,貴殿の行為は法的に問題があると考えております。具体的にいうと,著作物の無断加工使用であり,著作権法第27条の規定に抵触するのではないかと思われます。 条文は,「著作権者は,その著作物を翻訳し,編曲し,もしくは変形し,又は脱色し,映画化し,その他翻案する

    データえっせい: 飯島ただやす君への手紙
  • 正社員の離職理由

    先日,新規学卒者の離職状況に関する資料が厚労省より公表されました。それによると,2010年4月の入職者のうち,3年目となる2013年3月までに辞めた者の率は,高卒で39.2%,大卒でも31.0%になるそうです。3年以内の離職率,大卒で3割ですか。 http://www.mhlw.go.jp/topics/2010/01/tp0127-2/24.html これは全業種をひっくるめた値ですが,宿泊・飲業に限定すると,3年以内の離職率は大卒で51.0%,高卒だと66.6%にもなります。この業界では,大卒の2人に1人,高卒の3人に2人が,3年以内に離職している計算になります。 このように離職率は高いのですが,離職の理由はどういうものなのでしょう。まあ若者は,労働条件が悪い(キツイ)というものが大半を占めると思われますが,それだけではありますまい。女性の場合は,育児離職も少なくないと思われます。

    正社員の離職理由
  • 女子生徒の専業主婦希望率の国際比較

    昨年の11月5日の記事では,15歳生徒の志望職業の国際比較をしたのですが,そこで分かったのは,日の生徒の志望職業未定率が高いことです。約2割の生徒が,30歳頃就いていたい職業が何かを明言できずにいます。 この分析に使ったのは,国際学力調査“PISA2006”の生徒質問紙調査のデータです。対象の15歳生徒に対し,「30歳頃の時点において,あなたはどういう仕事に就いていたいか」と尋ねています(Q30)。 職業の名称を自由に記入してもらい,それを後から分類するアフター・コード形式ですが,分類コードの中に「専業主婦(Housewife)」というものがあることに気づきました。このコードが振られた回答の比率をとることで,各国の生徒の専業主婦(夫)希望率を出すことができます。 私はこのやり方に依拠して,調査対象となった,56か国の女子生徒の専業主婦希望率を明らかにしてみました。「男は仕事,女は家庭」と

    女子生徒の専業主婦希望率の国際比較
  • 専攻別にみた博士課程修了生の惨状(補正)

    8月30日の記事では,大学院博士課程修了生の無業者率,死亡・進路不明率を細かい専攻ごとに出したのですが,この記事をみてくださる方が多いようです。 いただいたコメントやツイッター上でのつぶやきを拝見したところ,上記記事の分析には,いくつかの不備があることに気づきました。また,不適切な解釈もあります。今回は,その補正をしようと思います。 文科省の『学校基調査』では,博士課程修了生(単位取得退学者含む)の進路状況が調査されています。そこにて設けられている進路カテゴリーは,以下のようです。8月30日の記事でも紹介しましたが,重複を厭わず再掲いたします。 ①:進学 ②:正規就職 ③:非正規就職 ④:臨床研修医 ⑤:専修学校・外国の学校等入学 ⑥:一時的な仕事 ⑦:左記以外の者 ⑧:死亡・進路不明 先の記事では,無業者率(⑥~⑧の者の比率)と進路・死亡不明率(⑧の者の比率)を計算したのですが,後者が

    専攻別にみた博士課程修了生の惨状(補正)
  • 若者は萎縮させられている?

    前回は,世界51か国の若者のクリエイティヴ・冒険志向の国際比較を行ったのですが,この記事をみてくださる方が多いようです。自己評定のデータですが,こういうのが物珍しいためでしょうか。 結果は,わが国の若者が(ダントツで)最下位だったのですが,ツイッター等でのコメントを拝見すると,「若者だけの問題か」,「大人の意識も含めて社会の責任だ」というようなものが見受けられます。ふむふむ。私も同感です。 前回は若者だけを切り取って比較したのですが,今回は,中高年層も交えた国際比較をしてみようと思います。日の若者は,同じ社会の中高年層と比してどうなのか,後者は,他の社会の同年齢層と比べてどうなのか。このような織り交ぜをすることで,議論がより立体的になるでしょう。 用いるのは,第5回『世界価値観調査』(WVS)のデータです。調査は,2005~08年にかけて,世界の数十か国の国民を対象に実施されたものです

    若者は萎縮させられている?
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