息子がまだ小さかった頃、幼稚園でお泊まり会というのがあった。みんなで先生と一緒に、一晩、幼稚園でお泊まりをする。それだけの行事だ。だが、親元を離れたことがない幼児たちにとっては、一大試練だった。 息子もその日は朝から緊張して、ああだこうだといろんなことを母親に要求していた。でも何とか夕方幼稚園に送り出した。翌朝、夫婦で迎えに行ったら、機嫌よく幼稚園の門から出てきたから、どうやら何とか楽しく過ごせたらしい。 その日の午後には、遠くに引っ越した仲の良い友達・ツーちゃんが、遊びに来てくれた。ひとしきり一緒に遊んであげて、友達を送ってから、わたしは息子に言った。 「ツーちゃんが遊びに来てくれて、よかったね。昨夜お泊まり会で頑張ったからだよ。がんばるとね、きっといいことがあるんだ。」 『頑張れば、必ず良いことがある』--これは子供が小さいうちに、親が伝えるべき大事な教訓だ。だから、わたしもそうした。