アシュリー・ターナーがシリコンバレー銀行に自身の会社ファームボックスRxの口座を開設したのは2年前。ベンチャー資金の調達に取りかかろうとしていた彼女は、この銀行がスタートアップ業界の頼れる存在であることを知っていた。 そのシリコンバレー銀行の資金繰りが不安定化しているという記事を読んだターナーは3月9日、慌ててファームボックスRxの資金をほかの2つの銀行口座に移そうとしたが、送金できなかった。 そして10日、シリコンバレー銀行は破綻。これにより、メディケア(高齢者向け医療保険制度)やメディケイド(低所得者向け医療費補助制度)の加入者に食品を届けるターナーの会社が同銀行に預けていた1000万ドルを超える現金は動かせなくなった。 ベンチャーの中核的銀行 「担当者の誰も折り返しの電話をしてこない。人生で最悪の24時間だ」とターナー。 彼女の絶望は、スタートアップ業界に広がっているものの一部にすぎ
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