2006年のアニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』は、エンディングテーマ「ハレ晴レユカイ」がオリコンチャートの上位を席巻するなど、まさに社会旋風を巻き起こすほどの大ヒットになった。 キャラクターを演じた一人一人がスターダムを駆け上がっていく。朝比奈みくる役の後藤邑子さんもその一人だった。 順風満帆に見えた彼女だったが、病気は確実に進行していた。
2006年のアニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』は、エンディングテーマ「ハレ晴レユカイ」がオリコンチャートの上位を席巻するなど、まさに社会旋風を巻き起こすほどの大ヒットになった。 キャラクターを演じた一人一人がスターダムを駆け上がっていく。朝比奈みくる役の後藤邑子さんもその一人だった。 順風満帆に見えた彼女だったが、病気は確実に進行していた。
「そう考えていた際に、乗り鉄であり、撮り鉄でもあったJ・ウォーリー・ヒギンズ氏が、カラーフィルムで収めていた日本の風景写真をまとめた『秘蔵カラー写真で味わう60年前の東京・日本』(光文社新書)のような新書がつくれないかと思ったんです。 その折に、本書の著者である渡邉英徳先生と庭田杏珠さんによる「記憶の解凍」というカラー化の活動を知り、これだ!と直感しました。 戦前・戦後の生活風景、戦地のリアルな光景をカラーの写真でまとめられれば、『写真に写っている人は実際にこんな土地でこんな風に暮らしていたんだ』というところから、戦争の諸問題について考えてもらえるのではないか、という発想でしたね」(同前) 日系人強制収容所で体操をする少女 Ansel Adams撮影 AIだけでなく人力の採色も行ったワケ 企画時の想定通り、発売後は「カラー写真になったことで“現在”と地続きに“当時”を感じられる」と話題を呼
いい成績を取ることだけが人生じゃない 私は「学校」というシステムにあまりなじめず、幼稚園から小学校卒業までの9年間で、3つの幼稚園と6つの小学校の、全部で9つの学校に行きました。毎年学校を替わることになるので、夏休みの宿題はしなくてもいいと、よく冗談で言っていました。 母は私と弟が学ぶ環境について、常により良い場所を探していました。私たち家族が花園新城に引っ越してきた時、私は新店の山の中にある直潭小学校に転校しました。直潭小学校の近くには山と川があり、大自然に親しむことができます。 それ以前に私が在籍したどの学校も、学業重視でした。当時、私の周りにいる年長者や両親の同僚たちは皆、優秀な学生であれば将来があると考えており、すべての試験で90点台や100点を取ることができれば、順風満帆に進学や海外留学のチャンスを得て、そうして国内で博士号を取得して大学教授になれば、安泰な生活を送ることができる
近年、「死刑になりたい」という動機で引き起こされた事件が連鎖反応的に発生している。2021年10月の「京王線刺傷事件」、同11月の九州新幹線車内で起きた放火未遂がその例だ。翌22年1月に東京・代々木で起きた焼き肉店立てこもり事件も、犯人が「死刑にしてくれ」と供述していた。 ここでは、各界の研究者や事件にかかわる人々へのインタビューによって、「死刑になるため」に凶悪犯罪を実行する犯人たちの“真の姿”に迫ったインベカヲリ★氏の著書『「死刑になりたくて、他人を殺しました」 無差別殺傷犯の論理』から一部を抜粋。加害者家族をサポートするNPO法人、World open Heartの理事長・阿部恭子氏が明かした加害者家族の実情を紹介する。(全2回の1回目/2回目を読む) ◆◆◆ 世間の非難を一身に浴びる“加害者家族”をサポート 事件の容疑者が逮捕されると、当の本人は身柄を拘束され、世間からシャットアウ
5月20日に封切られた『ハケンアニメ!』は、涙ではなく、汗についての映画である。 ポップで軽快な主題歌が流れ、アニメの名台詞の引用が飛び交う予告編は、この映画を若い監督と人気俳優たちによる新世代のカルチャームービーに思わせるかもしれない。でも実際のところ、これはアートやカルチャーではなく、労働についての映画なのだ。 正直に言えば、この映画は公開初週から観客動員数トップ10入りを逃している。人気作家辻村深月の原作の知名度と公開規模から言えばかなり手痛い結果だ。予告編が与えるポップで洗練された映画のイメージは、必ずしも観客の事前動員に繋がらなかったと言える。 だが一方でSNSでは、公開された20日金曜日の夜から半月が経った現在に至るまで、映画を見た観客からの賛辞があふれ、各種映画サイトの評価投稿では邦画として極めて高い得点と、熱いレビューが投稿され続けている。 中村倫也と吉岡里帆の“直接対決”
昨年、脱税容疑で田中英寿前理事長が逮捕され、激震が走った日本大学。同大学の体育会空手部で上級生による下級生への暴力が日常的に行われている疑いがあり、監督が部員に謝罪していたことが「週刊文春」の取材で分かった。 日大の体育会をめぐっては、2018年にアメリカンフットボール部の「悪質タックル」問題が注目を集めた。この一件で当時の内田正人監督とコーチが除名処分になっている。 日大空手部に所属するAさんが明かす。 「キャプテンによる暴力・体罰が日常化しています。3月27日には、午後10時から2時間にわたり、下級生たちが学生寮の屋上で正座させられました。小雨が降る寒い中、全員裸足。見張られているので、逃げることもできませんでした。終わるころには日付が変わっていました」 正座させられる下級生たち Aさんによると、日大の空手部には「ミスをした下級生には懲罰的正座をさせる」という“伝統”があるという。しか
声優はいまや若者にとって、憧れの職業のひとつであり、「自分が好きなアニメやゲームに出ている声優になりたい」という思いを抱く人は少なくない。しかし、『シティーハンター』や『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』『ラブライブ!』などの人気作品を担当した音響監督・音楽プロデューサーの長崎行男氏は、「安易な動機で声優専門学校・養成所に通うことはおすすめしない」と語る。 声優になりたいと考え、声優専門学校・養成所に通うことは自然な流れなようにも思えるが、なぜ同氏はそうした進路をすすめないのか。ここでは、長崎氏の著書『埋もれない声優になる』(星海社新書)の一部を抜粋。声優志望者へのメッセージを紹介する。(全2回の2回目/前編を読む) ◆◆◆ 声優になりたい人の動機の変化 かつて声優の仕事をしていた人たちはお芝居や演技をすることが好きで、小劇場活動などで実際に演技をしていて、アルバイト的に声優の仕事を体験し、
「20年大会のレガシーとして、国立競技場はですね、現状のまましばらく使うことの方が国民の理解を得れるんじゃないか」 萩生田光一文部科学相(当時)は、2021年9月7日の会見でこう発言したうえで、東京2020オリンピック・パラリンピック閉会後の国立競技場に、サブトラックの新設を検討していることを明らかにした。 本来、国立競技場は常設のサブトラックを持たないため、世界陸連(WA)などが開く国際大会の施設基準を満たさず、公認記録が得られない陸上競技場である。オリパラ期間中は国立競技場近くの神宮外苑内に臨時のサブトラックを造って対応したが、大会後は土地再開発のため取り壊されることになっていた。
「親ガチャ」という言葉に込められた怒り 「親ガチャ」という言葉がTwitterトレンドに入るほど流行していたとき、興味があってワード検索をかけてみると、ネガティブな反応や嫌悪感を露わにしているつぶやきが非常に多かった。例えば「生んでもらった親に対して敬意がない」「親を『ガチャ』という言葉で否定するなんて、親が聞いたら悲しむ」という風に、親サイドの目線に立って考えている人たちによる意見が目立ったように思える。 もちろん若者であっても、親が自分を生んで育て上げてくれたことに感謝し、今も良い関係を築けている人であれば「自分の親を『ガチャ失敗』などと例えるなんて」と、「親ガチャ」に対して拒否反応が出てもまったく不思議ではないだろう。 私個人としては「親ガチャ」という言葉を好んでは使わない。しかしながら、世の中で起こっているさまざまな不平等を解決しようとするとき、なくては語れないのが「生まれ育った環
そもそも移民難民というテーマが「言説強化のためのネタ」に成り果てており、ドイツでの実績や教訓についても、自陣営にとって都合の良い部分だけをピックアップし、針小棒大に膨らましてアジテーションするだけ、という状況が半ば固定化しています。 あの論争の延長上に何かまともなものが生じるようには思えませんが、それはそうと、移民流入・定着後にドイツ人が本当に「移民の受け入れは失敗だった」と思っているのかどうかは、意外と検証されていません。 「アイデンティティが危機!」という反発はドイツにもある 受け入れてみて実際ヤバかったのかそれとも案外いけたのか。そのへん単なる主観的一例っていう前提でいいからインサイダー的見解を教えて欲しい、と文春オンライン編集氏に言われ、確かにこの観点でのドイツ自己分析は日本であまり見ないし、コロナ直前までドイツと日本を行ったり来たり二重生活していたからあっちの実感もわかるし、それ
フランスで「日本式」マンガが売り上げ過半数を占めるように さて、フランスやその隣国のベルギーにおいては、「バンド・デシネ」と呼ばれる独自の漫画文化が存在してきた。バンド・デシネ由来の人気キャラクターとしては、タンタンやスマーフなどが日本でも知られている。 このバンド・デシネに、日本式のマンガ、さらにマーベルなどに代表されるアメリカの「コミックス」を合わせたものが、一般に世界三大漫画文化として並び称されてきた。 しかし近年、日本のマンガの人気は拡大する一方であり、この勢力図に変化が生じている。 約30年前に日本のマンガがフランスに本格上陸して以来、ついに今年はじめて、同国におけるこれら3種の漫画の売り上げ総額の過半数を、(日本式の)マンガが占めるようになったのである。マンガはコミックスやバンド・デシネよりも販売価格が安いため、売り上げ冊数で比べると人気の差はさらに顕著である。 国境を超える『
去年、コロナ禍で外食産業が壊滅するぞと騒がれていた時期に、パンケーキ屋を営んでいた松田公太さんが「外食産業の声」と称して、不動産の家賃減免を求める活動を始めていたのですよ。まあ、気持ちは分かるんですけどね。 【新型コロナ】「外食産業の声」発足、家賃減免を求める「支払いモラトリアム法」提言 https://www.inshokuten.com/foodist/article/5745/ ぼろ儲かりしてても家賃は上がらないだろうに 別に松田公太さんだけが悪いわけではないのですが、零細不動産オーナーの立場からしますと、昨今の不動産市況の低迷をもってなお、テナント側が苦しいからと言っていちいち家賃を引いていては身が持たないのもまた事実であります。 仮に、彼のパンケーキ屋がぼろ儲かりしていても、不動産オーナーからすれば「お前ら儲かっているな? 家賃を上げさせろ」とはなりません。ちくしょう、俺の物件で
4年連続の紅白歌合戦出場、2013年にシングル「女々しくて」がカラオケランキングで51週連続1位という、当時の新記録を樹立したゴールデンボンバー。20~30代の女性を中心に幅広いファン層を持つ4人組だ。歌広場は“エアーベーシスト”にしてライブでの振り付け担当。メンバー中唯一の父親でもある。 不倫相手の女性、A子さんは20代。昨年1月、都内の酒席で歌広場と出会った。A子さん本人が証言する。 「淳くんとはLINEを交換しました。朝方にお開きになった後、二人でタクシーに乗ってホテルに行きました」 男女の関係になった2人はデートを重ねる。歌広場の仕事先の地方で密会し、北海道や伊豆に旅行することもあった。歌広場は「夫婦関係は破綻している」「ずっと一緒にいたい」と話しており、A子さんはいずれ一緒になれるものだと思っていたという。 しかし今年2月、A子さんの妊娠が発覚したことで、2人の関係は急速に変わっ
最後の日、2階のリビングから聞こえてきた音 最後にもう一度、彼と暮らした家を見上げる。 ふと、今までの出来事は全てファンタジーだったのではないかと思う。 しかし数分後、その考えは覆った。 2階リビングから、ササポンが奏でるピアノの音色が聞こえてきたからだ。 この曲を知っている。ヘンデルの『私を泣かせてください』である。寂しさのなかに一縷の望みを感じるこの曲を聞いて、涙腺がゆるむ。これはおそらく、ササポンなりの餞別だろう。 「これからも、まぁ、頑張りなさいよ」というメッセージ。 人生に詰んだ元アイドルと、赤の他人のおっさん。世にも奇妙な組み合わせで過ごしたひとときを、私は一生忘れることができない。優しい演奏が聴こえてくる2階の窓辺に向かって、深々と一礼する。 それから一つ深呼吸すると、新しい人生に向かって一歩を踏み出した。 写真=末永裕樹/文藝春秋
高橋留美子さんが『週刊少年サンデー』で連載中の『MAO』が熱い盛り上がりをみせている。『MAO』は、小1の時に事故で家族を失った中学3年生の少女・黄葉菜花(きばなのか)が、大正時代に漂流。運命的に出会った陰陽師の少年・摩緒と、苦難を乗り越えながら自身の「謎」を解き明かしていく大正怪奇ロマンだ。『MAO』の立ち上げから関わっている担当編集の「モリケン」さんこと、森脇健人さんに、高橋作品と高橋さん本人の魅力についてお聞きした。(全2回の2回目。前編を読む)
先日、息子の生活指導の先生に会ってきた。息子はフランスの高校1年生。遅刻することが多く、点呼に間に合わないので欠席扱いになったり、先生によっては遅刻者は教室にさえ入れてもらえないため、必然的に欠席となる。届けのない欠席日数が多すぎると、面談の要請があったのだ。 息子のだらしなさは私の責任でもある 息子の欠席扱いは、とくに昨年の12月に集中していた。私が年末の報道番組に出演するため、1カ月近く単身帰国していた時期だ。年末恒例のこの番組は6時間半に亘る生放送なのだけれど、事前に番組宣伝の収録や打ち合わせがあるため、最低でも放送日の2週間前には日本にいなければならない。今回はコロナ禍で帰国後2週間の自主隔離もあったから、日本滞在は例外的に1カ月にも及んでしまったのだ。
また、06年の年賀状は〈新年快哉 ご家族ともどもよき年を迎えられたこととお喜び申し上げます〉、07年の年賀状は〈新春 おめでとう! 昨年は何から何までお世話になりまして、ありがとうございます。本年もよろしくおねがいいたします!〉といった具合で、私と魏の関係は続いていた。 彼の福岡高裁での控訴審は06年7月4日に始まり、07年3月8日に控訴を棄却する死刑判決が下された。そして12日後の3月20日に最高裁に上告している。 そんな折、魏が08年になって60代前半の日本人女性と養子縁組をしたようだとの連絡を受けた。教えてくれたのは、私と同じく魏と面会している、旧知の福岡県警担当記者である。彼によれば、相手は福岡市に住むキリスト教を信仰している人物とのことだった。 「日本にひとりぼっちでいるあの子をなんとか助けてあげたい」 その記者から養子縁組をした相手の連絡先を聞いた私は、彼女・桑原祥子さん(仮名
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