中国・北京で北海道大学の岩谷将教授が一時拘束されていた問題で、日本政府が、来年4月の習近平(シージンピン)国家主席の国賓訪日が困難になると中国政府に伝え、即時解放を求めていたことがわかった。日本政府関係者が明らかにした。 安倍首相が今月4日、バンコクで行われた李克強(リークォーチャン)首相との会談で、「習氏の国賓訪問を成功させるためにも対応してほしい」と求め、李氏は「留意する」と回答したという。 一方、岩谷氏が拘束されたのは、中国大陸から台湾に逃れた国民党の関連文書を所持していたためだったこともわかった。文書は、古本屋で購入したという。 中国当局は岩谷氏を反スパイ法違反などの容疑で捜査したとしているが、不都合な歴史資料の収集が理由だったことになる。 政府高官は、「日本人の中国研究者は、怖くて中国に行けなくなってしまう」と語った。実際、岩谷氏の拘束後、中国への渡航を自粛する動きが出るなど、学