次世代の人材を育成する「小和田記念講座」について、インタビューに応じる小和田恒さん=1月25日午後、東京都千代田区(緒方優子撮影) 長年、外交官として活躍する傍ら、国際法学者として教鞭(きょうべん)を取り、国際司法裁判所(ICJ)裁判官として日本人初の裁判所長を務めた小和田恒さん(91)が日欧を拠点に、国際社会の一員として次世代を担う人材の育成に取り組んでいる。東大とオランダ・ライデン大の共同で2021年にスタートした「小和田記念講座」。感染症や紛争、環境問題など国際社会の抱える問題が複雑化する中、6カ年の講座の折り返し地点を迎えた小和田さんに、その手応えを聞いた。 学生参加型、実例交え議論--講座が生まれたきっかけは 「私はICJに勤務している間、ライデン大の名誉教授として、学生に講義を行う機会にも恵まれました。2018年にICJを辞めて帰国する際、ライデン大から裁判官としての紛争解決、