「多様性」や「共生」という言葉が重要視される一方で、現在、世界のありとあらゆる場所で分断が進んでいる。民族や出自、経済格差や思想、世代や細かな趣味嗜好。分断の理由はさまざまだが、その中で文化はなにができるのか、ふたたびその力を問われているともいえるだろう。 現在進行形のフランス文化を紹介する『FESTIVAL SAISON ROUGE』が今年も開催される。さまざまなアーティストやダンサーがパフォーマンスが繰り広げる中、フェスティバルのテーマである「ダイバーシティ(多様性)とサステナビリティ(持続可能性)」を体現するグループが31年ぶりの来日公演を行う。それがKassav'(カッサヴ)だ。 Kassav'はフランスの海外県であるマルチニークおよびグアドループというカリブ海のアンティル諸島にルーツを持つメンバーにより、1979年にパリで結成。カリブのさまざまな伝統音楽と当時の最新テクノロジーを