呼びかけの格 広く知られているようにラテン語の名詞には格変化という概念がある。 格とは簡単にいえば名詞の文中での意味・統語的な役割を表すための体系で、日本語であれば主に格助詞(「を」「の」etc.)で表される要素である。 ラテン語の格は標準的には6つあり(主格・呼格、対格・属格・与格・奪格)、主として語尾の変化で示される。一部の語にはさらに地格がある。 しかしそんな中にあって「呼びかけに使われる」と説明される「呼格」の存在を不思議に思った人も多いのではないだろうか。 呼格という概念 文中での役割(特に他の語句との関係)を示す要素という格の基本に立てば、文の他の要素から独立した呼格を格とは見なさない立場もあり得る。 実際に時代や地域や解釈にもよるが呼格は真の意味での格ではないとされることも多かった。 他の要素からの独立を表す――という解釈もあるにはあるが、格として特殊な存在であることは確かだ
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