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2018年4月12日のブックマーク (2件)

  • スタンフォード哲学事典の「言語行為」を訳読しよう #02

    言語行為について学ぶ最初の一歩にはふさわしくないなぁ…と思いつつ,それでも続けるよ.(前回はこちら) ---- ここから訳文 ---- 2. 内容,効力,いかにして言うことによって言ったとおりにできるか ものを言う行為とは,とにかく意味のある言葉を発話する行為だ.これに対し,「言語行為」は専門用語だ.近似の第一歩として言えば,言語行為とは,(他にもやりようはあるにせよ)自分がしかじかのことをやる言うことによってまさにその行為を遂行できる行為のことだ.このように考えると,辞任,約束,確言,質問は,すべて言語行為に当たる.他方で,相手になにかを信じさせたり,気分を害したり,身長を6インチ伸ばすのは言語行為ではない.たとえば,べつにこれしかやりようがないわけではないが,「私は(…)辞任いたします」("I resign...") と言うことによって辞任できる.だが,この直観的な概念だと,あまりにも

  • スタンフォード哲学事典の「言語行為」を訳読しよう #01

    『スタンフォード哲学事典』から,「言語行為」の項目をちょっとずつ訳していこう.やたら長いし,ちょいちょいめんどくさい言い回しをしてるので,訳し終わるまでけっこう時間がかかると思うけど,興味がある人はおつきあいくださいな. 原文: Mitchell Green, "Speech Acts," Stanford Encyclopedia of Philosophy, 2007/2014. 原文の方でも blockquote がちょいちょい使われているので,訳文全体は blockquote に入れないことにする. ---- ここから訳文 ---- 普段の会話で私たちが自然と注意を向ける主な対象は,お互いに交わしている文ではなく,そうした文の発話で遂行されるいろんな言語行為だ:お願い,警告,招き,約束,謝罪,予測といった言語行為に自然と注意が向かう.こうした行為なしに人とのやりとりは成り立たない.