1月18日20時41分。日比谷公園側から厚労省を見上げた。「国会が始まると出歩く暇もないので、今週は友人と会う予定を毎晩入れてます」と話す職員も(撮影/澤田晃宏) この記事の写真をすべて見る 国会が始まった。安倍晋三首相が1億総活躍のための最大のチャレンジとする働き方改革の議論も進む。一方で、所管する厚労省のブラック公務は置き去りに……。 通常国会が始まる前々日の1月18日、記者は厚生労働省内で取材をしていた。この日は水曜日。超過勤務(以下、残業と表記)縮減の取り組みとして、内閣府は厚労省を含めた全省庁に対し、毎週水曜日は定時退庁するように促している。大臣の答弁準備のための仕事もなく、早く帰りやすい日だったようだ。 20時5分前になると、退庁を促す館内放送が流れた。20時になると一斉に電気が消えたが、間髪を入れず再び電気がついた。その前後、パソコンに向かう職員の視線が動くことはない。いつも