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ブックマーク / www.msz.co.jp (8)

  • 量子論が試されるとき | 画期的な実験で基本原理の未解決問題に挑む | みすず書房

    量子力学の諸原理が内包する不思議は、ながらく人知を超えた問題、あるいは純粋に解釈の問題として扱われていた。しかし現代の物理学者たちは高度な技術と創造性を駆使した実験によって、それらの難問を科学の俎上に載せ、質に肉迫している。書はそうした、現代量子物理学の新局面を開いた実験を取り上げ、現象の機序を解く理論と合わせてリアルに体感させる。波と粒子の二重性、相補性、非局所性、量子のからみあい、そして量子情報といった最近のテーマまで、幅広くカバーしている。 いずれもファンタスティックとしかいいようのない実験の数々が、明快に、かつ必要十分な具体性をもって紹介される。量子論に予備的な知識のある読者にとっても、かつてない手ごたえとともに、ミクロの世界への驚きと好奇心が呼び覚まされる読書体験となるだろう。一切の数学的表現を避けた一般書と、数学的表現に大半を委ねた専門書との間にある、大きなギャップを埋める

    量子論が試されるとき | 画期的な実験で基本原理の未解決問題に挑む | みすず書房
  • 殺人ザルはいかにして経済に目覚めたか? | ヒトの進化からみた経済学 | みすず書房

    「私がこれまで読んだなかで、経済学的思考の力と重要性を最もはっきり実証してくれるだ」 D・デネット 部族でいがみ合っていた人類は、どのように協調し、繁栄を手にしたのか。1万年の人類史を経済学で見とおす稀代の名著。 僕がシャツを買えるには、何人の人が協力する必要があるんだろう? ロンドンへのパン供給の責任者は誰? なぜ人はレストランの勘定をおとなしく払うのか? お金は究極の信頼製造制度? なぜほとんどの計画都市は退屈なのか? 知的財産権は他の財産権と何が違うのか?……経済生活にまつわる数々のトピックを探索しつつ、協力と信頼の観点から人類経済の仕組みを解き明かす。 「日常生活というのは、みんなが想像するよりずっと奇妙なもので、脆い基盤の上に成り立っている。これが人類の進化史の教えるゾッとするメッセージだ。私たちのうごめく、産業化された、ネットワーク化された存在というのは、何百万年にもおよぶ人

    殺人ザルはいかにして経済に目覚めたか? | ヒトの進化からみた経済学 | みすず書房
  • 心理学の7つの大罪 | 真の科学であるために私たちがすべきこと | みすず書房

    「もしもいま私たちが警告の印を無視してしまったなら、100年以内に、あるいはもっと早く、心理学は古臭い学問趣味の一つと見なされることになるかもしれない。ちょうど私たちがいま錬金術や骨相学をそう見るのと同じように」 STAP細胞問題で衆目を集めたデータの捏造・改竄による不正行為は、心理学にとってもけっして対岸の火事ではない。顕著な有意差のある研究結果への偏重、実験データの私物化、不正行為への脆さ、論文のでたらめな評価尺度……。著者は自らの研究者生活を通じて見えてきた、心理学の研究文化に根づく「7つの大罪」を暴き出す。 悪しき慣習に堪えかねた著者は、国際的学術誌『コーテックス』の編集委員になると、すぐに新たなシステム作りに着手する。研究発表の「事前登録制度」である。書はその挑戦の軌跡とともに、伝統に固執し、変化に抵抗する研究者たちの姿をも克明に描くものである。 心理学が透明性と再現性を高め、

    心理学の7つの大罪 | 真の科学であるために私たちがすべきこと | みすず書房
  • 情報倫理 | 技術・プライバシー・著作権 | みすず書房

    情報倫理学とは、情報通信社会における倫理的諸問題に対処するための研究である。セキュリティ、プライバシー、知的財産権、表現の自由などをめぐる、きわめて現代的な重要問題を分析し解く手がかりを与える。書はその情報倫理学のスペシャリストである著者の力作だ。人文社会科学・哲学系と理工学系の両者に通じた著者の強みが活かされた好著。 * 「情報倫理学は、情報社会を理解し、そこでよりよく生きるために役立つ学問であるべきと考える。筆者のバックグラウンドは、哲学・倫理学および科学技術史ということになろうが、書において見るように、情報社会を理解しようとするにあたっては、相当に雑多な分野横断的な現在使える知識はすべて使い、体系化を行うというよりも、よりジャーナリスティックに、問題に即して考察を進めるという姿勢であたってきた。…… この執筆を行ってきた間にも、新しい技術が次々と登場し、さまざまな事件が起こったう

    情報倫理 | 技術・プライバシー・著作権 | みすず書房
  • 不完全性・非局所性・実在主義 | 量子力学の哲学序説 | みすず書房

    いわゆるベルの不等式に対する実験がほぼ否定的な決着を見たのは1980年代前半のことだが、この結末が量子力学の哲学的問題に対する関心を呼び覚まし、物理学者、数学者、哲学者らによって、著作、論文集、雑誌論文の形で夥しい文献が世に出ることになった。その中にあって、1987年に原著が出版された書は、入門の段階から専門的議論までを含んだきわめて優れた書物であり、1988年には、科学哲学への顕著な貢献に対して贈られるラカトシュ賞を受賞した。 扱われているのは、量子力学の哲学の分野で過去20年間に成し遂げられたさまざまな研究成果であるが、著者がとりわけ焦点を当てているのは、「量子力学は不完全な理論であるか」、「量子力学は非局所的であるか」、そして「量子力学は実存的に解釈できるであろうか」という三つの大きな問題である。 「現代物理学が抱えている存在と認識に関する深刻な問題をめぐり、書が哲学系の人々にも

    不完全性・非局所性・実在主義 | 量子力学の哲学序説 | みすず書房
  • 21世紀の資本 | みすず書房

    経済的格差は長期的にどのように変化してきたのか? 資の蓄積と分配は何によって決定づけられているのか? 所得の分配と経済成長は、今後どうなるのか? 決定的に重要なこれらの諸問題を、18世紀にまでさかのぼる詳細なデータと、明晰な理論によって解き明かす。格差についての議論に大変革をもたらしつつある、世界的ベストセラー。 「年で、いや、この10年で、最も重要な経済学書になると言っても過言ではない」 ポール・クルーグマン(プリンストン大学教授) 「地球規模の経済的、社会的変化を扱った画期的著作だ」 エマニュエル・トッド(フランス国立人口統計学研究所) 「時宜にかなった重要書だ」 ジョセフ・スティグリッツ(コロンビア大学教授) 「かれの解決策に賛成するにせよ、しないにせよ、資主義を資主義から救おうとする人たちにとって正真正銘の課題だ」 ダニ・ロドリック(プリンストン高等研究所教授) 「この事実

    21世紀の資本 | みすず書房
  • ゾミア | 脱国家の世界史 | みすず書房

    アカ、カチン、フモン、ラフ……。様々な人々が独自の社会を築いたインドシナ半島の奥地、ゾミア。この深い山中の民族文化や生業は、国家を回避するための戦略だった。世界の自由民たちが息づくグローバル・ヒストリー。 書のテーマはシンプルかつ深遠だ。スコットは言う。「原始的」な民族は、わざわざ、そのような生活習慣を選ぶことで、国家による束縛を逃れているのだ、と。 彼らが、焼畑に根菜類を植え、文字を使わず口承で伝え、親族関係を自由自在に変化させる文化を発達させてきたのは、権力からの自由と自治のための戦略だった、というわけだ。 さらにスコットの眼差しは、全世界に広がる。アメリカ大陸の逃亡奴隷によるマルーン共同体、ヨーロッパのロマ、ロシアのコサック……彼らの社会の成り立ちのなかにも、課税や奴隷化を逃れ、自由を希求する構えが読み込まれていく。 国家による管理の無力さを一貫して追及してきた政治学者・人類学者に

    ゾミア | 脱国家の世界史 | みすず書房
  • 最悪のシナリオ【新装版】 | 巨大リスクにどこまで備えるのか | みすず書房

    「人間は最悪のシナリオにどう向き合っているのだろう。無視するのか、過剰に重視するのか。低確率の大惨事のリスクにはどう対処すべきか?…多くの環境保護主義者は、損害が生じるかどうかが不明な状況のための〈予防原則〉を熱心に支持する…しかし、この姿勢の明らかな難点について考えてほしい。1パーセントの確率と確実性との差を無視するのは大きな間違いだ。 しかし、最悪のシナリオが十分に恐ろしければ、その発生確率が実際には低くても、われわれはあたかも確率がはるかに高いかのように扱うだろう。これは当に賢明な考え方なのか? 問題は、最悪のシナリオへの対応が負担とリスクをもたらす可能性があり、その対応自体にも最悪のシナリオが伴うという点だ」(はじめに) 書の目標は三つ。第一に、最悪のシナリオに対して人間の心理はどのように振る舞いがちなのかを分析する。特に過剰反応と完全な無視という極端に振れる心理傾向がリスクへ

    最悪のシナリオ【新装版】 | 巨大リスクにどこまで備えるのか | みすず書房
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