丸山里美『女性ホームレスとして生きる』を読んだ。 女性ホームレスとして生きる―貧困と排除の社会学 作者:丸山 里美発売日: 2013/04/03メディア: 単行本 珍しい女性ホームレスを扱った本書だが、その実態を論ずるだけではなく、女性ホームレスの存在を通して所謂「主体性」への批判的吟味にまで達している。 そもそもなぜ、日本は女性ホームレスが「少ない」のか。 例えば、他の先進国の場合、DVなどを理由にシェルターに逃げ込んだ人も、統計的にホームレスに当てはまり、そのため女性ホームレスにカテゴライズされる人が多いのに対して、日本の場合は統計に入らないため、数が少なく算出される。 また、日本の雇用制度の帰結として、男性の場合、労働者として福祉の網から外されやすいのに対して、福祉制度の保護(生活保護)を比較的受けやすい女性は、その分ホームレスになりにくいかった。 こうした理由から、女性がホームレス
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