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ブックマーク / yamaguchijiro.com (18)

  • 希望の春を取り戻せ | YamaguchiJiro.com

    三月と言えば、卒業、進学、就職の時期で、別れと出会いが交錯する感傷的な時期のはずである。しかし、卒業式で「若者が希望を胸に抱いて巣立つと」いう決まり文句が使われたのは、昔話になりつつある。近年の貧困と不平等の拡大が、若者にとって悲惨な春をもたらしている。 三月二四日の「北海道新聞」は、親の経済的事情によって大学進学を断念せざるを得なかった高校卒業生が、北海道だけで今年六〇〇人も発生したと報じている。全国の数はその数十倍であろう。おそらく一万人以上の若者が、家庭の貧しさゆえに高等教育を受けることができないまま、社会に放り出されたことになる。また、学費が払えず高校を中退する若者も多い。それは、当人たちに気の毒なだけでなく、社会全体の損失である。 大学で教えている者にとっては、実に切ない話である。意欲と能力を持つ若者から教育の機会を奪うということは、社会の側の犯罪である。そのようにして将来への夢

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    nkoz 2009/04/02
  • 日本というモデル | YamaguchiJiro.com

    今、いくつかの大学で日政治について講義をするために、アメリカ旅行中である。こちらでは、オバマ政権の最初の課題である景気刺激策について論争がおこなわれていた。その中で、推進派も反対派も、日を引き合いに出しているのが、興味深く、また情けなかった。 オバマ大統領は、日の失われた十年は、中途半端な刺激策を小出しにしたからだとして、大型刺激策の正当性を主張した。これに反対する共和党は、日でバブル崩壊後に行われた巨額の公共事業がほとんど効果を持たなかったと反論した。どちらにしても、日は悪いお手である。 日の政策は基的に官僚が作る。官僚は視野が狭いという宿命を持っている。景気対策を小出しにしたのは財務官僚の健全財政主義へのこだわりの故であり、無駄な道路やダムに金を注ぎ込んだのは旧建設官僚の縄張り主義の帰結であった。そもそも官僚にはそれ以上の知恵を期待できない。優先順位や規模を決定するの

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    nkoz 2009/02/20
  • 政権交代をいかに実現するか | YamaguchiJiro.com

    2009年は日政治の選択の年である。友人から来た年賀状のほとんどには、政治の閉塞を嘆く声、政権交代を待望する声が記されていた。日頃は政治的な発言や行動をしない人でも、政治の現状に対する不満と憂慮は大きいのであろう。永田町もメディアも、今度の総選挙における政権交代を織り込み済みで動いている印象さえある。1月初旬の朝日新聞と共同通信の世論調査では、麻生政権支持率が20%を割り、政権維持はますます困難になっている。この政権はどんなに長持ちしても予算と関連法案の成立までであろう。 長年政権交代を叫んできた者にとっては喜ぶべき事態なのであろうが、政権交代の可能性が高まれば高まるほど、不安も大きくなる。1993年の細川政権の失敗を繰り返さないために、政権交代を起こす側が何を注意すべきか、考えてみたい。 争点のコントロール 経済危機の中で政権交代を起こすことは、新しい政権党にとって政権維持の困難を倍増

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    nkoz 2009/02/20
  • 社会基盤としての郵便局 | YamaguchiJiro.com

    十一月中旬、北海道北部の浜頓別という町に講演をしに行った。音威子府という駅で降り、車で向かったのだが、途中の小頓別という集落に郵便局があった。案内の人に聞くと、この集落にとってこの郵便局はまさに命綱ですとのことだった。確かに、信用金庫はおろか農協の支所さえないこの集落にとって、郵便局は唯一の公共機関であり、外界との接点である。民営化に伴い採算性が厳しく問われるようになると、いつまでこの郵便局が持つのか、地元の人は不安におののいているそうである。 この光景に、私は日社会の歪みの象徴を見出す思いである。効率一辺倒と自己責任原則で、経済社会は「改革」された。東京でこの種の改革を論じる人にとって、わざわざ辺鄙な過疎地に住み、公共事業や政府からのサービスに頼って生きる人々は、邪魔物にしか見えないのだろう。しかし、国土の維持に効率原理を持ち込むなど、愚の骨頂である。生まれ育った地域を必死で守り、後世

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    nkoz 2009/02/19
  • 政治家に教養は邪魔物か | YamaguchiJiro.com

    このところ、麻生太郎首相の失言、迷言が相次いでいる。この人物は宰相の器ではないという雰囲気が、永田町に蔓延し始めているようだ。一連の失言は単なるミスやサービス過剰ではなく、政治家としての質的な欠陥に根ざしているように思える。 私は少年漫画の創生期に子ども時代を過ごしたが、父親から「漫画ばかり読んでいてはろくな人間になれない」と時々説教をされた。親の説教というのは後になってみると有り難いものである。漫画ばかり読んでいたらどんな大人になるか、今の総理大臣を見ればよく分かる。 活字ばかりのおもしろさを子どもが理解するためには、最初は我慢が必要である。遊びたい欲求も抑えなければならない。読書は、知ることのために自分を律する訓練なのである。麻生氏の場合、自制心のないまま育った人間が権力を握り、唯我独尊の境地に入ったのだから、他人を見下したり、傷つけたりする言葉を次々と発するのも、むしろ当然であ

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    nkoz 2008/11/26
  • YamaguchiJiro.com | 麻生首相の目線

    最近、「国民目線」という言葉がしばしば政治家の口から出される。私はこの言葉が大嫌いである。視線の代わりに目線という言葉を使うことがそもそも下品である。視線が自然なものであるのに対して、目線は、撮影の時に目を向ける方向のことで、そもそも作り物である。この言葉からは、国民と同じ地平からものを見ることはできないが、一応国民と同じようにものを見るふりをするという、権力者の偽善が伝わってくる。 麻生太郎首相もこの言葉を使うが、彼の目線がどこに向いているか、十月二六日の一連の出来事ではっきりした。秋葉原におけるパフォーマンスのバカバカしさは、先週の欄で書いた通りである。同じ日に、麻生邸見学ツアーに行った反貧困運動の参加者がただ道を歩いているだけで、三名も逮捕されるという事件が起こった。このときの映像はユーチューブなどで見られる。警察による違法、不当な弾圧であることは明らかである。 麻生首相が当に日

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    nkoz 2008/11/05
  • 政策論議のあり方 | YamaguchiJiro.com

    政局も夏枯れ状態で、話題といえば民主党の代表選挙くらいである。前原誠司前代表のように、代表時代に無能さをさらけ出し、党を存亡の危機に追い込んだ人物を、単に小沢一郎代表に逆らうというだけで持ち上げるメディアにも困ったものである。 それよりも気になるのは、民主党が政権交代に挑む際に必要とされる政策能力という言葉の使われ方である。前原や多くのメディアは、民主党の政策が財源の裏づけを欠いたバラマキであると批判する。また、21世紀臨調などマニフェストの運動を進める人々も、財源の明確化を求めている。確かに、財源の当てもなしに大盤振る舞いを公約するのは無責任であろう。私自身、日でこれから福祉国家を実現するためには、いくつかの分野で国民の負担を増やすことは不可避だと思っている。しかし、野党の政策構想に対して、具体的な財源を明記することを金科玉条のように要求する議論には、違和感を覚える。 そもそもマニフェ

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    nkoz 2008/07/27
  • 08年1月:新しい成人へ | YamaguchiJiro.com

    今日は成人の日である。私自身はいつの間にか新成人の親の年になり、別の感慨を覚える。今の若い者はけしからんというせりふは、大昔から繰り返されてきた。永井荷風が、人間は年を取って快楽を得られなくなると若い者がうらやましくなり、あれこれ説教をするようになるという趣旨のことを日記に書いていた。まったくその通りである。私も、大学の教師を20年あまり務めてきて、「最近の学生は」と言いそうになるのを時々自戒している。 今の若者はゆとり教育の世代で、基礎的な学力が弱いと言われる。そもそもゆとり教育を採用した大人が若者にそんなことを言うのは無責任の極みである。また、大学で教えていて、こと文科系の学問に関しては、学力が下がったという感じはしない。 もちろん、知的な発達の過程が昔とはまったく異なるので、古典を読んでいないとか、歴史に弱いとか悪口を言えばいろいろある。しかし、彼らは私たちの世代にない新しい能力を持

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    nkoz 2008/01/16
  • 08年1月:NHKの今後に要注意 | YamaguchiJiro.com

    NHKの新会長に福地茂雄・アサヒビール相談役が決定した。この人事は、事実上古森重隆経営委員長の強い意向によって押し切られた。古森氏は安倍晋三前首相が送り込んだ人物だけに、新会長が政治色を発揮するかどうか、今後のNHKの行方が心配である。 正直言えば、海老沢元会長の時代には、NHKの番組を見る気がしなかった。たとえば、イラクでクラスター爆弾の不発弾にさわって手を失う子供が大勢いるというニュースを報じた時、爆弾にわざわざ鮮やかな色を塗って投下した張人は誰か、一切触れていなかった。こんなものはジャーナリズムではなかった。 橋現会長の時代に入って、ようやく来のNHKの面目を取り戻しつつある。新聞協会賞も受賞した「NHKスペシャル ワーキングプア」を見た時、私は受信料を払っていて当によかったと思った。NHKにしか作れない番組があるのだ。それは我々が受信料を払っているから可能になる。 古森、福

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    nkoz 2008/01/16
  • 07年9月:地方重視への注文 | YamaguchiJiro.com

    参議院選挙における自民党の大敗の一因が、地方の反乱にあったことは明らかである。小泉構造改革という名の下に、地方に対する支援策は切りつめられてきた。かつて規制改革民間開放推進会議の議長を務めた宮内義彦氏(オリックス会長)は、北海道の人口は二,三百万人で十分だという発言を公然と行った。つまり、北海道には人が多すぎるから政府が福祉、雇用、教育などの余分な経費を投入しなければならないというわけである。彼の主張を敷衍すれば、行政コストのかかる田舎には人は住むなという結論にたどり着く。小さな政府を作りたい人々にとっては、田舎に住む人は足を引っ張る邪魔者に見えるのであろう。だからこそ、今回の選挙では地方の住民が自民党に復讐したのである。 構造改革論者の致命的な誤りは、人間が自由に選択できない事柄についても、選択の自由と自己責任原理を当てはめた点にある。人間は生まれる場所や家庭環境を選べない。家業を継ぐこ

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    nkoz 2007/09/30
  • 07年9月:福田さんへの要望 | YamaguchiJiro.com

    安倍首相が退陣表明をしてから、次の首班指名までの約2週間、国会は開店休業状態である。また、自民党総裁選挙はやはりニュースバリューがあるので、各メディアもこれを大きく取り上げている。どうも釈然としない。朝青龍はけがを理由に巡業を休み、その間にサッカーをしたので、日中からバッシングを浴びた。自民党は、相撲の場所に当たる国会を総理の病気退陣で一方的に休業させたくせに、悪びれもせずサッカーならぬ身内の出来レースをテレビに取り上げさせ、ただで宣伝してもらっている。これは朝青龍よりも悪質ではないか。 私はたぶん総裁に選ばれるはずの福田康夫氏には多くを期待しない。自民党の都合だけで総理を入れ替えるのはもう限界である。誰がなっても、次の政権は正統性を持ち得ない。 次の総理の最大の仕事は、政治と金に関する透明化の仕組みを速やかに整え、政治に対する国民の信頼を最低限回復した上で、解散総選挙を行うことである

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    nkoz 2007/09/27
  • 07年7月:参院選と政局の行方 | YamaguchiJiro.com

    参院選の選挙戦が格的に始まるにつれて、争点は年金問題もさることながら、政権のあり方、首相の適格性に移っている。それも当然の話である。安倍政権はあくまで自民党の中で選ばれたに過ぎず、国政選挙の洗礼を今回初めて浴びる。安倍自民党が好むと好まざるとにかかわらず、この参院選は、国民がこの政権に対して最初の評価を下す場となる。また、選挙戦の劣勢を覆すためには、自民党もこの選挙の争点を安倍対小沢の党首対決に持ち込もうとしている観がある。民主党も、この選挙を政権交代への足がかりにしたい以上、党首対決を避けることはできない。 しかし、民主党が世評どおり選挙で勝利を収めても、政権交代への道は簡単には開けない。1989年以来、92年と01年を除いて、自民党は参院選で敗北してきた。特に、89年の社会党(当時)、95年の新進党(当時)、98年の民主党は衝撃的な勝利を収めた。しかし、自民党は首相退陣につながる敗北

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    nkoz 2007/07/25
  • 06年12月:地方政治の腐敗と分権の今後 | YamaguchiJiro.com

    このところ、福島、和歌山、宮崎で知事が談合や収賄の容疑で逮捕され、辞職するという事件が相次いだ。また岐阜県などでは裏金の存在が住民の批判を集めた。これから地方分権を進めるために、一連の事件からどのような教訓をくみ取るべきか、考えてみたい。 つい数年前までは、各地の知事が地方分権のリーダーとして中央政府やメディアに対して、現在の中央集権体制に対する批判と改革の提言を発していた。長い間日の地方自治体は国の行政の下請けとして、法律面でも財政面でも手足を縛られてきた。しかし、改革派知事の登場によって、自ら法を解釈し、新たな政策を作り出すという意味での政治を地方で発見することができた。まさに改革派リーダーは、単なる行政の統括ではなく、自ら政治家となることによって改革派としての位置を確立した。 しかし、政治家となることには落とし穴もともなっていた。選挙を勝ち抜くこと、そのために資金を集めることなど、

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    nkoz 2006/12/13
  • 06年9月:安倍氏は歴史認識を語れ | YamaguchiJiro.com

    安倍氏が総裁戦で圧勝する勢いだが、私には、なぜ安倍氏の人気が高いのか、いまだによくわからない。対北朝鮮政策では、ある種の存在感を示したとはいえ、何しろ官房長官以外に閣僚経験がなく、政治家として評価する材料がない。 小泉首相が可愛がって後継者にしようとしていること、ポスト小泉候補の中で一番若いこと、そして岸信介元首相の孫、安倍晋太郎元外相の息子という毛並みの良さ。そうしたことからくる、根拠の弱い、ふわっとした大衆人気のようなものがあって、それが自民党の中に反映され、安倍氏に乗っかるというなだれ現象が起きた。政治家自身が大衆化してしまったということなのだろう。 そして、なだれ現象の大きな要因となったのは、小選挙区制のもとで小泉首相が党内の中央集権化を進め、反主流派の居場所がなくなってしまったことだ。 加藤紘一・元幹事長の実家が放火された事件自民党の反応が鈍かったのは、小泉、安倍両氏がなかなか

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    nkoz 2006/09/13
  • YamaguchiJiro.com: - 06年8月:ポスト小泉レースをめぐる感想

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    nkoz 2006/08/14
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    nkoz 2005/12/06
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    nkoz 2005/12/03
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