ブックマーク / natrom.hatenablog.com (5)

  • 撤回された論文は根拠にならない - NATROMのブログ

    2023年8月からX(旧Twitter)にて、元杏林大学保健学部准教授の平岡厚さんと対話を続けています。HPVワクチンは安全で効果的というのが世界中の専門家のコンセンサスですが、平岡さんはHPVワクチンの深刻な副反応・薬害が相当規模で存在すると主張しています。 HPVワクチン接種の有無にかかわらず血液脳関門の異常で害が起きるのは当然 平岡さんが提示する仮説の一つは「日常的に抗体値を高くさせられている人は、血液脳関門に異常が生じた場合、通常なら中枢神経系に入らない物質が侵入して悪さをするのでは」というものです*1。しかし、私のみるところでは平岡仮説はとくに根拠がない思い付きに過ぎないように思われました。 「日常的に抗体値を高く」するのはHPVワクチンだけでなく、他のワクチンだって同じです。B型肝炎ワクチンはHBs抗体価を高くしますし、麻疹ワクチンは麻疹ウイルス抗体価を高くします。なんならワク

    撤回された論文は根拠にならない - NATROMのブログ
  • 新薬に対する熱狂の弊害 - NATROMのブログ

    新型コロナウイルス感染症に対する治療薬の評価がぼちぼち出つつある。トランプ大統領が推したことでも注目を集めたヒドロキシクロロキンはもともとは抗マラリア薬で、自己免疫性疾患にも使用されている。安価な経口薬で、使用実績が多く副作用の情報も把握されており、ヒドロキシクロロキンが新型コロナに効くなら大きな助けになったはずだが、残念ながら最近は旗色が悪い。 最近の報告だと、軽度から中等度の新型コロナウイルス感染症に対し、標準ケア、標準ケア+ヒドロキシクロロキン、標準ケア+ヒドロキシクロロキン+アジスロマイシンの3群を比較した、オープンラベル(非盲検)、ランダム化比較試験において、15日目の患者の臨床状態に有意差は見られなかった*1。参加者の合計は665人、それぞれの群は217~227人。アジスロマイシンは抗菌薬の一種で、併用するとウイルス減少に効果的だったという小規模な先行研究があった。 もちろんこ

    新薬に対する熱狂の弊害 - NATROMのブログ
    nmcli
    nmcli 2020/07/31
    ありていに言えば判決を待たないと有罪かどうかが分からない容疑者みたいなもんと考えればいいのかな
  • もし家族が肺炎になったら新型コロナの検査を要求するか? - NATROMのブログ

    COVID-19(いわゆる新型コロナウイルス感染症)症例が福岡でも出ました。私の外来にも「新型コロナが心配」という患者さんがぼつぼつ受診しています。幸い、私の外来ではいまのところはどなたも肺炎にはなっておらず、現時点では検査は不要だとご説明し、ご納得を得られています。 たまに誤解している人もいらっしゃいますが、現在(2020年2月22日)では新型コロナの検査に、中国への渡航歴や感染者への接触歴は必須条件ではありません。そうした条件を満たしていなくても、入院を要する肺炎や医師が総合的に判断し新型コロナ感染症を疑う場合など、「昨今の国内外の発生状況を踏まえ、これらの地域に限定されることなく、医師が新型コロナウイルス感染症を疑う場合に、各自治体と相談の上で検査することになります」*1。 ネットでは「検査をしてくれない。要求しても断られる」という声を聞きます。自分や家族が病気のときに望む検査をして

    もし家族が肺炎になったら新型コロナの検査を要求するか? - NATROMのブログ
    nmcli
    nmcli 2020/03/04
    "新型コロナに限らず、日本では検査に頼りすぎな風潮があります。" ←いやほんとこれ俺だわ申し訳ない。
  • 医師国家試験を解いてみよう。「がん検診の有効性を示す根拠はどれ? - NATROMの日記

    がん検診にまつわる誤解は根深く、医師でもけっこう間違えている人がいます。ただ、医師国家試験にがん検診が有効である根拠を問う問題が出題され、若い世代の医師はがん検診の疫学をより正確に理解しているものと思われます。 厚生労働省のサイトに過去問がありましたので、ここで引用・紹介します。さて解けますか?このブログの読者は、その辺の平均的な医師と比べると、ずっと正答割合が高いのではないかと思います。 第106回医師国家試験問題より。 集団に対してある癌の検診を行った。 検診後に観察された変化の中で、検診が有効であったことを示す根拠はどれか。 a 検診で発見されたその癌の患者数の増加 b 検診で発見されたその癌の患者の生存率の上昇 c 集団全体におけるその癌の死亡率の低下 d 集団全体におけるその癌の罹患率の低下 e 検診に用いられた検査の陽性反応適中率の上昇 答えは下のほうに。 正解c. 検診後に集

    医師国家試験を解いてみよう。「がん検診の有効性を示す根拠はどれ? - NATROMの日記
    nmcli
    nmcli 2018/10/18
    IT業界で例えるなら、新しいウィルス対策ソフトを入れて「a」「b」「d」「e」の結果を得て喜んでちゃいけないってことなのかなあ
  • コメント欄 - 他人にアレルギー症状を起こさせる疾患「PATM(パトム)」は実在するか? - NATROMの日記

    PATM(パトム)についての医学論文はほとんど存在しない 「PATM(パトム, People Allergic To Me)」と呼ばれる病気がある。人には必ずしも症状はないが周囲の人に咳、くしゃみ、鼻水といったアレルギー症状を起こさせるとされる。典型的には、自分が電車に乗ったり教室に入ったとたんに周囲の人が咳き込んだり、マスクをつけたり、鼻をすすったりする。 私がPATMを知ったきっかけは、PATMを取り上げたテレビ番組について意見を求められたことだった。Google検索ではPATMの診療を行っている日の医療機関が見つかった。もちろん保険診療ではなく自費診療だ。PATM以外に「遅延型フードアレルギー」「副腎疲労」「リーキーガット症候群」といった医学的に確立されていない疾患概念に対し、やはり医学的に有用性が明確でない検査を行い、サプリメント等の有用性が証明されていない治療を行っている。

    コメント欄 - 他人にアレルギー症状を起こさせる疾患「PATM(パトム)」は実在するか? - NATROMの日記
    nmcli
    nmcli 2018/09/28
    超絶分かりやすい。
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