だが先月、イスラエルとパレスチナの国境地下に眠る原油の埋蔵量が、これまでの推定をはるかに超える総量であるとの報告があり、原油の利権争いという新たな火種が降りかかってきた。 双方は過去何度となく約束を反故にしているだけに、原油利権問題が浮上した今、すんなり解決に向かうかは大きな疑問だ。 イスラエル中部ロシュ・ハアイン町で油田が発見されたのは1990年代のことである。以来、ドリル抗をあける度に番号が割り当てられてきた。 ドバイの衛星TV局アル・ジャジーラによると、昨年まで「メゲブ5」と呼ばれる油田の原油埋蔵量は15億バレルとされてきたが、今回報告されたのはその2倍以上もあるというのだ。 この推定量が本当であるならば、世界でも屈指の埋蔵量ということになる。原油ビジネスの世界では、埋蔵量が5000万バレル規模であっても大油田と呼ばれる。 5億バレルであれば巨大油田というカテゴリーに入る。仮に30億