Amazonより 『騎士団長殺し』の後半は、〈メタファー〉を中心に展開される村上春樹の独特な世界観が描かれます。 認知言語学において、〈メタファー〉は単なる修飾技巧ではなく、私たちの基本的な認知能力の一つと捉えられています。〈メタファー〉は言語活動のみならず、思考や行動にいたるまで、日常の営みのあらゆるところに浸透しています。 例えば、雨田具彦が暗殺を計画したナチの高官や、南京城内で中国人捕虜の首を切らせた少尉に向けた感情は、最期まで彼の口から語られることなく、『騎士団長殺し』の寓意に託されています。これは、言葉では直接表現できない私的な思考や感情を、〈メタファー〉を通して乗り越えようとする手法の一例です。 『遷ろうメタファー』 免色渉は秋川まりえを実の娘と考え、秋川家が見える場所に3年前に引っ越しました。彼は絵画教室の生徒であるまりえの肖像画を描くよう「私」に依頼し、偶然を装って彼女との
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