システムがビジネスに不可欠な存在になり、運用部門の役割は重要性を増している。なのに運用部門は依然、個々の担当者のスキルに頼っているのが現状だ。もはや従来の体制では、急増するシステムを安定稼働させることは難しい。運用業務プロセスを確立し、組織で対応できる体制作りが必須だ。業務プロセスを確立した企業は、運用設計やシステム改善に注力する「攻めの運用部門」に生まれ変わっている。プロセス確立のお手本「ITIL」が普及し始めた今こそ、運用業務改革を断行し「攻めの運用」に転ずる絶好のチャンスだ。 開発担当者のテストが原因で2000人分の勤務データが消滅――2002年5月、荏原製作所の勤怠管理システムで起きた障害である。勤務データのバックアップ・テストを本番稼働中のシステムで実施したところ、サーバーのハードディスクが破損してしまった。過負荷をかけたことがきっかけとなったようだ。復旧はしたが、2000人分の
![攻めの運用](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/bed39b5962a5d552c95b6d796db8f55e72d32943/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fxtech.nikkei.com%2Fimages%2Fn%2Fxtech%2F2020%2Fogp_nikkeixtech_hexagon.jpg%3F20220512)