久しぶりに覗いたキミのブログには、極度の窮乏を示すキミの生活ぶりが記されていた。食事は週に三食。一食は具のないインスタントラーメンで、あとの二食は調味料だけで作るチャーハンだった。食事のない日は水道水だけ。シケモクさえもなくなり、全財産は3,000円を切っていた。勤務先をやめ、引きこもり生活を続けるキミが何よりおそれたのは電気が止められること。ネットを切られることだけは避けなければならなかった。キミが死んでしまうと思ったのは少し大げさかもしれないが、どうしてこんなになるまで私に黙っていたのかと思っていたら、不意に泣けてきた……。駆け出しの作家としてようやく本が出せるようになった女性作家とニートの青年との、友情とも恋愛とも言いがたい微妙な関係を描く表題作の「ニート」。 他人を傷つけることを避けようとするばかりに優柔不断に陥り、かえって人を傷つけてしまうホテルマンの主人公と、育ての親である