2012年04月09日17:02 カテゴリ ビーンボールの倫理学 MLBが開幕した。私が応援するレッドソックスはクローザー不在でタイガース相手にいきなり3連敗(うち2敗はサヨナラ負け)。「今年はプレーオフ進出は無理」と、レッドソックス・ネーションは、早くも諦めムードに覆われている。 さて、今回は、ビーンボールという、MLBの「特殊文化」がテーマである。レッドソックス=タイガースの開幕3連戦でも、4番打者相手にビーンボールをぶつけ合うシーンが展開された。 最初に敵の4番打者にぶつけたのはレッドソックス。0対10と大敗した第2戦。3番ミゲル・カブレラ、4番プリンス・フィールダーがともに2本塁打と大当たりしたのだが、救援投手のマット・アルバースが7回裏フィールダーの足にぶつけたのである。大当たりしている打者にビーンボールをぶつけるのは、「本塁にかぶさるんじゃない。いつでも厳しくインコースを攻める
2004年にカージナルスで打率.291の成績を残し活躍した田口壮。だが、彼も入団当初は、メジャー特有のムービングボールになかなか対応できず、苦悶の日々を送っていた 今年7月のことだ。メジャーリーグからちょっと離れ、ネブラスカ州オマハで行なわれた日米大学野球最終戦を取材させてもらった。言うまでもなく日本チームは、ドラフト指名候補の有望選手ばかりで構成され、実際チームに選抜された4年生10人のうち6選手が今年のドラフトで指名を受けている。 その試合を観戦した感想は、日本の投手たちがアメリカの有望大学選手と対等に渡り合っている一方で、攻撃陣がどうしても物足りないというものだった。結果として日本は6対2でこの試合に勝利したのだが、安打数は米国チームを下回り、犠打数は日本が4に対し米国はゼロだった。象徴的だったのが、3回に失策で出塁した無死二塁の場面から送りバントとスクイズで日本の先取点。5回に集中
2011年03月24日12:01 カテゴリ FA市場異変 「非クローザー」救援投手価格の高騰 今オフのFA市場、異変の口火を切ったのはタイガースだった。FA市場が解禁となったばかりの11月半ば、中継ぎ救援投手ホアキン・ベンワー(33歳)を、契約期間3年・総額1650万ドルの大型契約で獲得。クローザーでない救援投手に高額複数年契約をオファーするブームの先鞭をつけたのだった。 ベンワーは昨季レイズで中継ぎを務め、防御率1.34・WHIP0.680(!)と抜群の安定感を示した。しかし、肩の手術を受けた後2009年は全て欠場、昨季レイズに拾われた際も、開幕はマイナーリーグで迎えたほど「期待されない」投手だった。期待されなかったのも道理で、レンジャース在籍8年間の通算成績は、防御率4.79・WHIP1.417と、「駄目投手」と呼ばれても仕方がないほどぱっとしなかったからである。しかし、昨季1年、目を
2010年11月25日04:49 カテゴリ 岩隈久志 交渉決裂の「深読み」 いま、日本に来ていることは前回も書いたとおりだ。 学会講演二つ(及びその準備)と私用とで忙しくしていたせいで、しばらく新聞を読む暇もインターネットで野球の情報にアクセスする暇もなかった私が、「岩隈久志交渉決裂」の情報に接したのは、講演前日の11月22日、学会のレセプション(晩餐会)に出席したときのことだった。 日本人初のメジャーリーガー、村上雅則氏から「夕刊紙の情報」を教えていただいたのだが、なぜ村上氏と私とが学会のレセプションで同じテーブルに着いていたのかというと、翌23日に「米国医療の進歩に貢献した大リーグ名選手達」というタイトルで「共同講演」をすることになっていたからだった。 前々回、「アスレチクスは岩隈を取る気はなく、ポスティングに参加したのはマリナーズ、レンジャースへの入団を防ぐため。岩隈が応じられないよ
ポスティングによる岩隈久志の独占交渉権をアスレチックスが獲得した。 契約締結に至るまでは紆余曲折があるだろうが(双方の考えている年俸の隔たりが大きそうだ)、たとえ金額的に不満があってもそれを飲まない限り、メジャーのマウンドに立つことは出来ない。日本人選手は相対的に弱い立場に置かれているから、最終的に岩隈はオークランド・アスレチックスでプレーすることになるだろう。 それにしても今回は、メジャーリーグ30球団の中でも年俸予算が下から数えた方が早いアスレチックスがポスティングに参加したこと自体が驚きだった。 もはや『マネー・ボール』は卒業した! おそらく今回の岩隈の移籍に関してアスレチックスという球団が様々な形で紹介されるだろうが、もし「アスレチックスというチームは『マネー・ボール』云々」という記述があったら、その見方は古いと思った方がいい。 『マネー・ボール』とは人気作家マイケル・ルイスが20
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