巨人の原辰徳監督がトレード期限を撤廃し、年間を通して選手の移籍を可能とする改革案を披露したと伝えられている。今季は4件のトレードを成立させ、リーグ2連覇へタクトを振るう指揮官の発言は、私が以前のコラムでも提言した「日本球界の移籍活性化」にもつながる点からも賛同したい。 野球協約に定められているトレード期限は毎年7月31日までで、新型コロナウイルス禍によって、3カ月遅れで開幕した今季は期限が9月30日まで延長された。巨人は期限ギリギリの9月29日にも2軍暮らしが続いていた田中貴也捕手を楽天に金銭トレードで送り出している。報道によれば、原監督はこのとき、「プロ野球選手はみんな限られた年数の中での個人事業主、夢追い人。現役なんて長いようで短い。貴也も大チャンス」とエールを送っていたそうで、"飼い殺し"の発想はなく、楽天のオファーに応えた格好だった。 シーズン終盤は優勝争い、ポストシーズンをにらん