地方競馬・笠松からの中央挑戦で、日本中のファンを虜にした稀代のアイドルホース・オグリキャップ。可愛らしい芦毛とその強さは、社会現象にまで及ぶほどだった。しかしそのオグリも中央参戦3年目で6着・11着と連敗、ついに引退の日が近づく。多くの人が見守るオグリのラストラン、その背中には天才・武豊騎手が跨っていた。もう闘志を失ったとさえ言われていたオグリキャップの物語が、最後の最後でもう一度息を吹き返す。若き天才が、芦毛のアイドルを伝説の名馬オグリキャップへとエスコートした。 競馬を愛する執筆者たちが、90年代前半の名馬&名レースを記した『競馬 伝説の名勝負 1990-1994 90年代前半戦』(星海社新書)から一部を抜粋して紹介する。〈オグリキャップ編/イソノルーブル編を読む〉。 ◆◆◆ 2011年のブリーダーズCクラシックではティズナウが前年に続く連覇を飾って9・11同時多発テロに悲しむアメリカ