ウクライナ南部ヘルソン州にあるクリンキは、ロシアが占領しているドニプロ川左岸に位置する小さな集落だ。 6月6日、ロシアの工作員の犯行とみられるカホフカダム爆破が起きたとき、下流にあるクリンキはすぐさま水浸しになり、住民のほとんどは高台に逃げた。 それがクリンキの災難の始まりだった。4カ月半後の10月19日、ウクライナ軍の第38海兵旅団がドニプロ川を渡り、クリンキに進軍した。 ウクライナ軍は、昨年後半にドニプロ川右岸のヘルソン州北部を解放して以来、ドニプロ川左岸に対して何度も小規模な襲撃を仕掛けている。通常は、ロシア兵数人を殺害したり捕まえたりし、いくらかの損害を与えた後、ロシア軍による大砲やドローンでの攻撃が始まるとともに撤退する。 だが10月19日の作戦は違った。ウクライナ軍の部隊は、襲撃した場所に駐留。以来、4.8kmほど横長に広がるクリンキに沿って支配を拡大している。 ロシア軍の第8