電気自動車(EV)で世界の先頭を走るテスラ。日本の自動車メーカーが得意としてきた「モノづくり」でも、いまやイノベーションをリードする。 その一つが、アルミで車体骨格を一体成型する「ギガプレス」技術だ。米ケアソフト社のスキャン技術を使って車体を丸裸にすると、その進化に驚かされる。 日本勢が「カイゼン」活動にいそしんでいる間に、テスラはEVの航続距離を大きく延ばす軽量化をギガプレスで一気に実現した。(JBpress) (井上 久男:ジャーナリスト) 名古屋からJR中央本線に1時間ほど乗ると、釜戸(岐阜県瑞浪市)という駅がある。その近くの市立中学校の廃校跡地にいま、日本の自動車産業の関係者が頻繁に訪れている。 2022年春、「自動車展示場」がオープンしたからである。展示場とはいっても、新車を展示するわけではなく、世界の最新の電気自動車(EV)を分解して、その部品構成などが分かるようにしている。