“砂糖”をキーワードにしてインターネットの検索エンジンで調べてみると、砂糖の先物取引など相場に関する情報から、砂糖を使わないお菓子の作り方、砂糖を用いた化学実験など、そのヒット数の多さに驚く。中には「砂糖は体も心も狂わせる―学校・家庭内暴力も砂糖のとりすぎが関係」と題された宗教関係者が著した本の宣伝広告まである1)。この本の著者の主張する根拠は未確認であるが、砂糖が健康を指向する一般人から目の敵にされ、健康維持・増進に反する大敵の一つにリストアップされているとは噂では聞いていたが、それを目の当たりにしてさらに驚いた。砂糖の栄養学的な価値、製糖の産業としての重要性を思い、また生体内糖鎖の機能研究に携わるものの一人として、砂糖がいわれのない誹謗中傷を受けているようで胸が痛む思いである。幸い世界保健機構(World Health Organization, WHO)および国連食糧農業機関(Foo