わが国には、食肉に関する様々な誤解があります。これが、食肉の摂取にブレーキをかけ、高齢者などの健康増進の妨げになっています。これを解決するには、食肉の持っている栄養学的な機能を十分理解することが大切です。しかし、それだけでは不十分です。日本人が食肉とどのように付き合ってきたかを、歴史的に明らかにすることも大切です。何故なら「日本人は西洋人と違って、穀類や野菜を中心に摂ってきた。だから腸が長く、肉や油脂を摂ると体の変調を来す」といったことが、まことしやかに語られているからです。本当にそうなのかを歴史的に考察する必要があるのです。 また、「最近の日本人の食生活は欧米化し、食肉や油脂を摂りすぎて、野菜が不足している」といったことも方々で語られています。これが本当に正しいか否かは、歴史的に考察すると同時に、地理的にも見る必要があります。世界の国々と比較して、日本の食パターン、特に食肉の摂取にどのよ