ある政治的・宗教的・民族的集団がより大規模なそれらの集団から分離・独立しようとする考え,およびその運動。この場合,分離しようとする主体は少数民族や地域集団であることが一般である。それは,一国内にあって多数支配者集団と少数被支配者集団,支配民族と少数民族・移民集団それぞれの間で不平等な政治・経済・文化関係を構成している場合,搾取・抑圧・差別されている状況のなかで生じる。すなわち,抑圧・差別体系からの自己集団の解放が目的である。分離主義は,とりわけ1960年代以降に注目されるようになった。それは世界規模で進行している都市化,工業化の進展の過程で,国家の中央集権志向的政策が,地方や少数者集団固有の価値,生活様式,文化などを無視しつつ斉一化しようとする傾向に対し,少数者集団の固有性を主張したことによる。 カナダのケベック州は政治的・経済的意味からカナダの後進地域とみなされてきた。それは,1763年