元西武グループ会長の堤義明氏(81)が窮地に立たされた。堤氏の資産が買い叩かれ、“王国”からの完全追放を余儀なくされようとしている内幕を、8月31日発売の週刊ポスト(9月11日号)が報じている。 堤氏のグループ掌握の手法には独特の仕組みがあった。上場企業の西武鉄道は、未上場で実質堤家の持ち株会社だったコクドが支配する資本関係にあった。そのコクドの筆頭株主として堤氏はグループを資産面で支配した。 こうしたワンマン経営が仇となり、2004年に有価証券報告書の虚偽記載が発覚して西武鉄道は上場廃止、堤氏はグループの全役職を辞任した。 その後のグループ経営を引き受けたのがメインバンクであるみずほ銀行出身の後藤高志氏。後藤氏は米投資会社サーベラスに増資を引き受けさせて筆頭株主とし、グループを再編。西武ホールディングス(HD)が設立され、後藤氏が社長に就任するとともに、創業者一族である堤家は追い出される