日本にフランスパンを広め「フランスパンの神様」と呼ばれたパン職人で、9月17日に76歳で死去したフィリップ・ビゴ氏のお別れの会が16日、神戸市中央区の神戸ポートピアホテルで営まれた。フランスパンを並べた祭壇が設置され、ビゴ氏が技術指導した弟子や常連客ら約300人が別れを惜しんだ。 ビゴ氏は昭和17(1942)年9月、ナチス・ドイツ占領下のフランス・サルト県にパン職人の3代目として生まれた。国立製菓製パン学校でフランスパンの権威、レイモン・カルベル氏に師事。40年に来日し、神戸市の老舗ベーカリー「ドンク」をはじめ、全国の調理専門学校で技術指導した。47年に独立し、兵庫県芦屋市に「ビゴの店」を開業。関西有数の人気店に成長させた。 パン作りに対しては厳しい姿勢で知られ、粉の状態から焼き上げまで行う「スクラッチ方式」を採用。弟子たちにも徹底させ、日本が世界でも高い評価を受ける製パン技術の基礎を築い