手話には手の動きだけではなくて表情も重要であるということはそれなりによく知られている。 けれども、『遺伝子・脳・言語』(堀田凱樹、酒井邦嘉著;中公新書 2007)という本を読んで、「手話には表情 “も”重要」などというレベルではなく、文法レベルで「手話の一部」ということがわかった。 たとえば、 「佐藤が来ます。田中が来ます。」という並列文と、 「佐藤が来れば、田中が来ます。」という条件文。 この二つは、手の動きが同じで、顎の動きで区別されるのだという。 これは、「表情でニュアンスが変わる」という問題ではない。 根本的に文法が異なる。 もはや ”手”話 という言葉は不適に思えてきた。 体話? 他に、手話関係でおもしろいと思ったことが何点か。 ・ATMの手話画面は、ほとんど役に立たないとか。 そりゃそうだ、イラストの画面でそんな表情は作れない。 そもそもATM画面には文字があるのでそれで十分に