活動の初期から彼らは音楽の才能が卓越していた。特にハーポのハープ演奏の技術と、チコのピアノ演奏の技術は突出しており、のちの映画では2人の演奏シーンが定番になった。兄弟のパフォーマンスは当初は音楽中心だったが、1910年代に入り次第に喜劇を中心に活動内容を変化させていった。1915年には末っ子のゼッポが舞台に参加し、短期間ながら5人兄弟が全員揃った公演が行われている。その後ガンモが第一次世界大戦に徴兵されたため、グルーチョ・チコ・ハーポ・ゼッポの4人兄弟での体制が生まれた。この間に、彼らはそれぞれのキャラクターが確立していった。グルーチョは口ひげや、前屈みの独特な歩き方で早口でまくしたてる性格を、ハーポはまったく喋らないスタイルを、チコはイタリア訛りの喋り方を設定し、これらのキャラクターは後年まで演じられた。ゼッポは演技に際だった特徴をつけず、突っ込み役に徹していた。彼らの演劇は上流社会を風